
みなさん、こんにちは。突然ですが、あなたは「ジブリ映画をサブスクで観たい」と思ったことはありませんか?「となりのトトロ」や「千と千尋の神隠し」など、誰もが一度は心を動かされたジブリ作品。しかし、2025年の今も、日本ではジブリ映画をNetflixやAmazonプライム・ビデオなどの動画配信サービス(サブスク)で観ることができません。世界中がジブリ作品をオンラインで楽しんでいる中、なぜ日本が取り残されているのでしょうか?今回は、その理由を徹底解説します。
世界では「ジブリ=サブスク」が常識に
まず驚くべき事実からお伝えします。実は、2020年からジブリ映画は世界約190カ国のNetflixで配信されています。ヨーロッパ、アジア、南米など、多くの国々では「今日はトトロ観ようかな」とスマホ一つで気軽にジブリ作品を楽しめるのです。
しかも、28言語の字幕、最大20言語の吹き替えに対応。海外のファンたちは、まるでディズニー映画のようにジブリ作品を楽しんでいます。
ところが、日本とアメリカ、カナダだけはこの配信の対象外。日本のファンがNetflixで「ジブリ」と検索しても、何もヒットしません。まるで日本だけが「ジブリ鎖国」状態なのです。
なぜ日本だけ配信されないのか?三つの大きな理由
「なぜ?」と疑問に思う方も多いでしょう。その理由は大きく分けて三つあります。
1. テレビ放送権と配給権の複雑な構造
日本国内では、長年にわたり日本テレビがジブリ作品のテレビ放映権を持っています。毎年恒例の「金曜ロードショー」でジブリ映画が放送されるたび、高視聴率を記録し続けてきました。もしサブスクでいつでも観られるようになれば、テレビ放送の特別感や視聴率が損なわれる恐れがあるため、配信に消極的なのです。
さらに、ジブリ作品の配信には、製作委員会の全メンバーの合意が必要。権利関係が複雑に絡み合っており、簡単には配信許可が下りません。
2. 映画館で観ることへのこだわり
スタジオジブリの創設者である宮崎駿監督は「映画は映画館で観てこそ価値がある」という信念を持っています。大きなスクリーンと迫力ある音響、観客同士の一体感。こうした映画館ならではの体験を大切にしたいという想いが、サブスク解禁への慎重な姿勢につながっています。
3. パッケージ販売とテレビ放送のビジネスモデル
ジブリ作品は、今もDVDやBlu-rayが根強く売れ続けています。テレビ放送も毎回高視聴率。もしサブスクでいつでも観られるようになれば、これまでの安定したビジネスモデルが崩れるリスクがあります。特に「特別な時に家族みんなで観る」という体験価値を守るため、配信解禁には慎重にならざるを得ないのです。
海外と日本で異なる「配信権」の仕組み
海外では、フランスの映画販売会社「ワイルドバンチ・インターナショナル」がジブリ作品の配給権を取得し、Netflixと提携して配信を実現しました。一方、日本国内の配信権は日本テレビなどが管理しており、海外とは全く異なる契約体系になっています。
そのため、海外のNetflixでは配信されているのに、日本では配信されていないという現象が起きているのです。
日本のファンが感じる「取り残され感」
この状況に、多くの日本のジブリファンが不満や寂しさを感じています。
「なぜ日本のアニメなのに、日本人だけがネットで観られないの?」
「海外の友人はスマホでジブリを観ているのに…」
実際、SNSやネット上でも「日本だけジブリが配信されないのはおかしい」「時代遅れだ」といった声が多数上がっています。
VPNで海外版Netflixを利用する人も
どうしてもサブスクでジブリを観たい日本のファンの中には、「VPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)」を使って海外版Netflixにアクセスする人もいます。VPNを使えば、ネット上で「海外にいる」と認識され、日本にいながら海外のNetflixのラインナップを楽しめるのです。
ただし、VPN利用にはリスクや規約違反の可能性もあるため、自己責任で慎重に判断する必要があります。
他の人気アニメと比べて「異例」の扱い
ここで注目したいのは、他の日本アニメは続々とサブスク解禁されている点です。「鬼滅の刃」や「進撃の巨人」など、ほぼ全てのメジャー作品がNetflixやAmazonプライム・ビデオで配信されています。
ジブリだけが例外的にネット配信されていないのは、やはり「特別なブランド価値」と「独自のビジネスモデル」が背景にあるからでしょう。
今後、日本でも配信される可能性はあるのか?
「じゃあ、このままずっと日本ではジブリが配信されないの?」と気になる方も多いはず。
2023年には日本テレビがスタジオジブリを子会社化し、今後のビジネス戦略も変化する可能性があります。また、サブスク市場の拡大や視聴スタイルの多様化を受けて、将来的には日本でも配信解禁される日が来るかもしれません。
ただし、現時点では「金曜ロードショー」とパッケージ販売を中心としたビジネスモデルが維持されているため、すぐに状況が変わるとは言い切れません。
まとめ:ジブリのネット配信、日本だけが取り残されている理由
- 世界190カ国以上でジブリ作品がネット配信されている
- 日本だけは権利関係やビジネスモデルの都合で配信されていない
- テレビ放送、映画館体験、パッケージ販売を重視する独自の方針
- 他のアニメと比べても異例の「鎖国」状態
- 今後の動向に注目が集まる
あなたはどう感じましたか?「やっぱり映画館で観たい」「サブスクで手軽に観たい」――人それぞれのジブリ愛があるはずです。これからもジブリ作品が、より多くの人に、より自由な形で届く日が来ることを願ってやみません。
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