いちご狩りってどんな仕事?

春から初夏にかけて、家族やカップルでにぎわう「いちご狩り」。
真っ赤ないちごを摘んでその場で食べられる体験は、子どもから大人まで大人気です。
でも、あなたは知っていますか?
あの楽しい「いちご狩りの裏側で、農家さんがどんな工夫をしているのか」を。
「どれくらい儲かるの?」「農家の人って大変?」「赤字にならないの?」
今回はそんな素朴な疑問を、小学生にもわかるように説明していきます。
いちご狩りの料金と儲けの計算
まずは、いちご狩りの基本的な料金と収入のイメージを見てみましょう。
多くの農園では、
- 大人:1人あたり 2,000〜2,500円
- 子ども:1人あたり 1,500円前後
という料金設定になっています。
例えば、1日に100人のお客さんが来たとしたら、
平均2,000円 × 100人 = 1日あたり約20万円の売上 になります。
月20日営業すれば、
20万円 × 20日 = 月商400万円 にもなる計算です。
「わあ!そんなに儲かるの?」と思うかもしれませんが、
実はここからが“裏の本題”です。
実際には「経費」がとてもかかる
いちごを育てるのは、とても手間もお金もかかる仕事です。
特に「いちご狩り用のハウス栽培」は普通のいちごよりコストが高くなります。
主な費用を見てみましょう。
- ビニールハウスの建設費:数百万円〜1,000万円以上
- 暖房・電気代:冬場は月10万円〜30万円
- 苗や肥料・資材費:1シーズン数十万円
- スタッフの人件費:アルバイトやパートで月10万円前後×人数分
- メンテナンスと保険料:年間で数十万円
これらを合計すると、年間の固定費だけで数百万〜1,000万円を超えることもあります。
つまり、「20万円の売上があっても、実際の利益はごく一部」なのです。
いちご狩りの「体験料」はどこに含まれているの?
実は、いちご狩りの料金の中には「いちご代」だけでなく、
「体験料」「接客コスト」「運営管理費」などがすべて含まれています。
つまり、単に「果物を売っている」のではなく、
お客さんに「思い出を売っている」というビジネスなのです。
たとえば、小学生が「おじちゃん、甘いのあったよ!」と喜ぶ姿。
それこそが、農家さんにとっての“いちご狩りの価値”でもあるのです。
農家が儲けるための工夫3つ
では、実際にどんな工夫をしている農家さんが儲かっているのでしょうか?
通年営業できる仕組みを整える
いちごのシーズンは冬〜春(12月〜5月)ですが、
夏や秋にも「カフェ」「直売」「ジャム・スイーツ加工」などで収益を確保する農家が増えています。
SNSや予約サイトでブランド化
InstagramやX(旧Twitter)で「映えるいちご」を発信して集客する方法です。
写真映えするハウスやフォトスポットを用意することで、リピーターも増えます。
高品質いちごの栽培技術を磨く
甘さ・香り・粒の大きさを安定して作る技術を持つ農家は、口コミで人気になります。
一流のいちごは“ブランド”となり、直売でも高値がつきます。
それでも気候や環境のリスクは大きい
いちごはとてもデリケートな果物です。
気温の変化や病害虫、電気代の高騰など、わずかなことで大打撃を受けることがあります。
特に2020年代以降、電気代や肥料代の高騰が農業全体を直撃。
「儲かるどころか、赤字ギリギリで続けている」という農家さんも少なくありません。
「体験農業」は観光と同じビジネス
いちご狩りを単なる農作業ではなく、「観光×農業」として考える農家も増えています。
例えば、
- カフェを併設して「いちごパフェ」を提供
- スイーツ専門店やホテルと提携して商品化
- 地域イベントやマルシェに出店して宣伝
こうした「複合経営」によって、農園が地域の観光産業として発展しているのです。
小学生にもわかる「まとめ」
いちご狩りで農家が儲かるかどうかは「単純な値段」では決まりません。
- 売上が多くても、経費が高いと利益は少ない
- でも、お客さんの笑顔や体験が価値になっている
- 工夫次第で“観光農業”として成功できる
つまり、「いちごを作る」だけでなく「体験を作る」仕事なのです。
未来のいちご農家に必要なこと
今後の日本では、農業の担い手不足が進んでいます。
だからこそ、若い人や子どもたちが「農業って面白い!」と思える仕組みづくりが大切です。
たとえば、
- 学校の農業体験学習と連携
- デジタル技術(スマート農業)による効率化
- 観光・エンタメ業界とのコラボ
こうした動きが増えることで、「楽しくて稼げる農業」が根づく未来も近いかもしれません。
まとめ:いちご狩りの“本当の価値”
いちご狩りは、「農家のビジネス」であると同時に、「お客さんの思い出づくり」でもあります。
1個のいちごにかかる手間ひまや工夫を知れば、次にいちご狩りに行くとき、きっと見方が変わるはず。
「甘いね!」と笑い合うその時間も、農家の方が“本気で作ったおもてなし”のひとつなのです。

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