
「実家じまいをしなければいけないけれど、業者に頼むと何十万円、何百万円もかかると聞いて不安になっている」
そんな悩みを抱えていませんか?
両親が高齢になったり、亡くなったりした後に避けて通れないのが「実家じまい」です。ですが、知識がないまま業者にすべて任せてしまうと、必要以上にお金がかかってしまいます。
実は、順番を守って自分でできることを増やせば、費用を大幅に安く抑えることができます。場合によっては、家の中のものを売ることで、プラスの収入になることだってあります。
この記事では、お金をできるだけかけずに実家じまいを進めるための具体的なステップや、お得な処分方法を分かりやすく解説します。一つずつ順番に進めていきましょう。
実家じまいとは?なぜ今必要なのか
実家じまいの基本と必要性
実家じまいとは、誰も住まなくなった実家や、将来誰も住む予定がない実家を整理し、手放す作業全般のことを指します。
「忙しいから」「思い出があって寂しいから」と放置してしまう人も少なくありません。しかし、誰も住まない家をそのままにしておくと、次のような大変な問題が発生します。
- 固定資産税がかかり続ける:住んでいなくても、毎年税金を払わなければなりません。
- 家が急速に傷む:風を通さない家は、カビが生えたり木が腐ったりして一気にボロボロになります。
- 近所迷惑になる:庭の草が伸び放題になったり、防犯上の危険が生じたりして、近隣住民から苦情が来ることがあります。
「まだ先のこと」と思わずに、気づいたときから少しずつ準備を始めることが、余計な費用を発生させない一番の近道です。
実家じまいでお金がかかる3つの原因
実家じまいに膨大な費用がかかるのには、はっきりとした理由があります。原因を知っておけば、どこを節約すればよいかが分かります。
① 家の中のものが多すぎる
家の中に家具や日用品が溢れていると、それを処分するための手数料やトラックの費用が高くなります。
② すべてを不用品回収業者に丸投げしてしまう
「自分でやるのが面倒だから」と最初から業者に丸投げすると、人件費や作業代として数十万〜百万円以上の請求が来ることがあります。
③ 不動産の管理や売却に時間がかかりすぎている
売却や引き払いが遅れると、その分だけ固定資産税や管理費、保険料が毎月引き落とされ続けます。
つまり、「自分でできる限りものを減らし、手放すスピードを上げる」ことこそが、お金をかけない実家じまいの最大のポイントです。
お金をかけない実家じまいの準備ステップ
いきなり実家に行って片付けを始めてはいけません。準備なしに始めると、途中で挫折したり家族と喧嘩になったりします。まずは以下の手順で準備を進めましょう。
ステップ1:家族や親族と話し合う
一番最初に行うべきなのは、親や兄弟姉妹との話し合いです。
- 誰が何を相続するのか
- 残したい思い出の品(写真や貴金属など)はあるか
- いつまでに実家を片付けるか
これらを事前に確認しておかないと、「勝手に捨てられた」「そんなつもりじゃなかった」とトラブルになり、作業がストップしてしまいます。作業が遅れるほど、維持費という無駄なお金がかかります。
ステップ2:スケジュールを立てる
「今週末は押し入れ」「来週はキッチンの棚」というように、小さなエリアごとにスケジュールを組みましょう。ゴールを決めておくことで、だらだらと作業が長引くのを防げます。
ステップ3:必要な道具を安く揃える
片付けに必要な道具は、100円ショップやホームセンターで安く買い揃えましょう。
- ゴミ袋(自治体指定のもの)
- 軍手(滑り止めがついているもの)
- ガムテープとハサミ
- 紐(段ボールや古紙を縛るため)
- マスク(ホコリを吸い込まないため)
自力で安く片付けるための具体的なコツ
業者に頼まず自分で片付けるのが、最も節約になる方法です。しかし、家全体を片付けるのは気が遠くなる作業です。効率よく進めるコツを紹介します。
「売るもの」「捨てるもの」「残すもの」に分ける
部屋の中にあるものを、以下の3つのグループに分類します。
| グループ | 対象となるもの | 処分の考え方 |
| 売るもの | 年式の新しい家電、貴金属、ブランド品、未使用品 | お金に変えて処分費用に充てる |
| 捨てるもの | 使い古した家具、壊れた家電、服、大量の日用品 | 自治体のゴミに出して安く捨てる |
| 残すもの | 重要書類(通帳、権利証)、思い出の品、写真 | 持ち帰って保管する |
迷ったものは「保留箱」に入れておき、1ヶ月後に見直しましょう。その場での判断に時間をかけないことが大切です。
「奥の部屋」や「狭い場所」から始める
片付けは、玄関やリビングなどの大きな場所から始めると終わりが見えず、嫌になってしまいます。
まずは「トイレ」「洗面所」「押し入れの1段目」といった狭いエリアから始めましょう。「1箇所きれいにできた」という達成感が得られ、次の作業へのやる気につながります。
不用品をお金に変える!賢い買取サービス利用法
処分するものをただ捨てるのはもったいありません。売れるものはすべて売って、実家じまいの費用に充てましょう。
フリマアプリ(メルカリやヤフオク)を活用する
自分で出品・発送ができるなら、フリマアプリが最も高く売れる方法です。
- 売れやすいもの:ブランド衣類、小型家電、ゲーム機、古本、コレクターグッズ
- 意外と売れるもの:使いかけの香水、古いカメラ、昭和レトロな雑貨
「こんな古くてボロボロなものが?」と思うようなものでも、マニアにとっては価値がある場合があります。捨ててしまう前に一度検索してみましょう。
リサイクルショップの「出張買取」を使う
大型の家具や大量の品物がある場合は、リサイクルショップの出張買取を依頼するのが便利です。
査定員が実家まで来て、その場で査定・搬出をしてくれます。買取価格はフリマアプリより安くなることが多いですが、自分で運ぶ手間がかからず、トラックの代金も浮かせることができます。
買取専門業者に見てもらう
古い着物や骨董品、茶道具、貴金属などは、リサイクルショップではなく「専門の買取業者」に査定してもらいましょう。知識があるプロに見てもらうことで、思わぬ高値がつくことがあります。
ごみを安く処分する方法(自治体・クリーンセンターの利用)
売れなかったものは自治体のルールに従って捨てます。ここでも費用を抑える工夫が必要です。
① 普通ごみ・資源ごみとして毎週少しずつ出す
可燃ごみや不燃ごみ、プラスチックゴミなどは、毎週の定期回収に出せば費用はかかりません(指定ゴミ袋代のみ)。
帰省するたびに数袋ずつ持ち帰ったり、近所に住んでいるならゴミの日に合わせて捨てに行ったりすることで、大型のごみ処理費用を節約できます。
② クリーンセンター(処理施設)へ自分で持ち込む
自分で車を運転して自治体の処理施設(クリーンセンター)へ持ち込むと、通常よりも格安でゴミを処分できます。
業者に頼むと数万円かかる量でも、自分で持ち込めば数千円で済むことがほとんどです。重さによって料金が決まるため、軽トラなどをレンタルして一気に運ぶのがおすすめです。
③ 粗大ごみ戸別収集を利用する
家具などの大きなものは、自治体の「粗大ごみ収集」を利用しましょう。
事前に電話やインターネットで予約し、処理券(シール)を購入して指定の場所に置いておきます。不用品回収業者に頼むよりも圧倒的に安く処分できます。
費用を最大限に抑える不用品回収業者の選び方
「どうしても自分たちだけでは運び出せない大型家具がある」「時間がない」という場合は、一部だけ業者を利用するのも賢い選択です。
ただし、悪質な業者を選んでしまうと高額請求の被害に遭う可能性があります。安く安全に利用するためのポイントを押さえておきましょう。
悪質業者を見抜くチェックリスト
- 「無料回収」と街を走っているトラック:後から高額な積み込み費用を請求されるケースが多いため利用しない。
- 見積書を紙で発行しない:口頭での約束はトラブルの元です。必ず書面でもらいましょう。
- 「一般廃棄物収集運搬業」の許可がない:無許可の業者は不法投棄をするリスクがあります。
相見積もり(複数の業者を比べる)を必ず取る
業者を利用する際は、必ず3社以上から見積もり(相見積もり)を取りましょう。
「他社は◯◯円と言っています」と伝えることで、値引き交渉に応じてくれることもあります。また、接客の丁寧さや説明の分かりやすさを比べることで、信頼できる業者を見極めることができます。
空き家になった実家を安く維持・管理する方法
家の中が空っぽになっても、売却や解体が決まるまでは実家を維持しなければなりません。ここでも無駄なお金をかけない工夫が必要です。
火災保険の見直し
誰も住まなくなったら、火災保険のプランを見直しましょう。補償内容を必要最低限に絞ることで、年間の保険料を安く抑えることができます。
ただし、空き家であることを保険会社に伝えておかないと、万が一のときに保険金が下りないことがあるので注意してください。
通風と通水(自分で管理する)
月に1回程度は実家を訪れ、以下の管理を行いましょう。
- 窓を全開にして風を通す(カビ防止)
- すべての蛇口から水を出して数分流す(下水からの悪臭や害虫の侵入防止)
- 庭の草むしり(近隣トラブル防止)
遠方に住んでいて行けない場合は、近所の知人に頼むか、月額数千円程度の格安の「空き家管理サービス」を利用するのも一つの方法です。
実家(不動産)を賢く手放す・売却する方法
片付けが終わったら、最後は家と土地の処理です。ここを失敗すると、固定資産税をずっと払い続けることになります。
「現状渡し(そのまま)」で売却する
家を解体して更地(更地)にすると、解体費用として100万〜300万円ほどの大きな出費が発生します。さらに、更地にすると土地の固定資産税が上がる(特例が外れる)というデメリットもあります。
お金をかけたくない場合は、「古家付き土地(古い家が建ったままの状態)」として売りに出すのが一番です。リノベーションして住みたい買主が見つかれば、解体費を出さずにそのまま売ることができます。
買取業者に買い取ってもらう
築年数が古すぎて仲介では売れない場合、不動産会社に直接買い取ってもらう「不動産買取」という方法があります。
売却価格は相場の7割〜8割程度に下がってしまいますが、リフォームや解体をする必要がなく、最短数週間で現金化できます。維持費をすぐに止めたい場合には非常に有効です。
「空き家バンク」や「無償譲渡」を利用する
田舎にあって売り物にならないような家でも諦めてはいけません。
- 空き家バンク:自治体が運営する空き家マッチングサイト。無料で掲載できることが多いです。
- 無償譲渡(あげます掲示板など):「タダでもいいから譲りたい」という人と、「安く家を手に入れたい」という人を繋ぐサービスです。
手放すことができれば、毎年の固定資産税や管理のストレスから解放されます。
実家じまいで使える補助金・制度
自治体によっては、実家じまいを応援するための補助金制度を用意しています。知っているだけで数十万円得することもあるので、必ず確認しましょう。
危険空き家解体補助金
古い空き家を壊す際、自治体が解体費用の一部(数十万円〜100万円程度)を補助してくれる制度です。基準を満たしているか、役所の建築指導課などに問い合わせてみましょう。
3,000万円特別控除(空き家の譲渡所得の特例)
亡くなった両親の実家を売却して利益が出た場合、一定の条件を満たせば所得税が大きく安くなる税金の制度です。売却前に税務署や税理士に相談することをおすすめします。
まとめ:お金をかけない実家じまいの成功ロードマップ
最後にもう一度、お金をかけずに実家じまいを進めるための重要ポイントをおさらいしましょう。
- 最初から業者に頼まず、家族で話し合って計画を立てる
- 狭いエリアから少しずつ自分で片付ける
- 売れるものはフリマアプリや出張買取で徹底的に売る
- 捨てるものは自治体の持ち込み処分や粗大ごみを利用する
- 不動産は解体せず「古家付き」で売却を目指す
実家じまいは、一朝一夕で終わるものではありません。焦って一度にやろうとすると費用が高くなり、心身ともに疲れてしまいます。
「今月は押し入れだけ」「次の休みはクリーンセンターへ持ち込む」というように、少しずつ自分のペースで進めていくことが、結果として一番お金をかけない方法になります。
大切な思い出が詰まった実家だからこそ、後悔のないよう、賢く丁寧に進めていきましょう。
※この記事の掲載情報は一般的な手続きや処分方法についてまとめたものです。自治体によってゴミの出し方や補助金制度は異なるため、実際の作業前にお住まいの市区町村の公式ウェブサイト等をご確認ください。

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