グレート義太夫さんに見る糖尿病の恐ろしさ｜見過ごされがちな初期症状と生活習慣の落とし穴

higejii(ひげ爺）

「糖尿病なんて、自分には関係ない」
そう思っていませんか？

でも、その考えが最も危険なのです。

お笑い芸人として一世を風靡したグレート義太夫さん。彼の体験は、まさに「糖尿病の怖さ」を私たちに突きつける現実そのもの。テレビや舞台で明るく笑いを届けてきた彼が、重度の糖尿病により壮絶な闘病生活を送っている姿は、多くの人に衝撃を与えました。

ここでは、義太夫さんのエピソードを通して、糖尿病の恐ろしさ、そして私たちにできる具体的な予防策を分かりやすく掘り下げていきます。

糖尿病は「静かに進行する病気」

糖尿病の怖さは、何よりその“自覚症状のなさ”にあります。血糖値が高まっても、初期の段階ではほとんど日常生活に支障がない。だからこそ、多くの人が気づかぬうちに進行させてしまうのです。

グレート義太夫さんも、最初は「ちょっと足がしびれるな」「疲れやすくなったかな」と思う程度だったそうです。ところが、その「ちょっと」の違和感が、時間をかけて深刻な症状を引き起こしていったのです。

糖尿病は、血液中のブドウ糖をうまくエネルギーに変えられない状態。インスリンというホルモンがうまく働かなくなることで、過剰な糖が血液中に溜まり、血管を傷つけていきます。

傷ついた血管は、やがて全身の臓器や神経を蝕み、視力低下、腎不全、壊疽（足の腐敗）などにつながることもあります。これは誰にでも起こり得る現実なのです。

テレビの前で明るく笑っていたあの姿からは想像できないほど、グレート義太夫さんは糖尿病の影響で壮絶な体験をしています。

彼が糖尿病に気づいたとき、すでに病気はかなり進行していました。足の神経は損傷し、最終的には壊疽を防ぐために足の一部を切断。そうした事実を世間に公表したとき、多くの人が衝撃を受けました。

彼は語ります。
「甘いものが好きでね。食べないと落ち着かなかった。でも、最初にちゃんと健康診断を受けていれば、ここまでならなかったのかもしれない」

この言葉は、糖尿病の本質を突いています。つまり、“放置”が一番危険なのです。

糖尿病には、誰でも見逃しやすい初期サインがいくつかあります。
例えば、以下のようなものです。

これらは、血糖値が高い状態が続いているサインです。何気ない変化ですが、放置すると取り返しがつかなくなります。

糖尿病は単なる「血糖値の病気」ではありません。全身の血管をゆっくりと破壊していく病気なのです。

さらに、動脈硬化が進めば心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高まります。

グレート義太夫さんも、これらの合併症と常に隣り合わせの生活を余儀なくされました。糖尿病は“沈黙の殺人者”と呼ばれるにふさわしいのです。

実は、日本人は欧米人に比べて糖尿病になりやすい体質を持っています。その原因は「インスリン分泌能力の低さ」。もともと肉よりも穀物中心の食文化だったため、インスリンを大量に出さなくても生きていけたのです。

しかし現代社会では、糖質の高い食べ物があふれています。コンビニスイーツ、エナジードリンク、ラーメン、白米…。こうした生活の中で、私たちの体は少しずつ負担を受けているのです。

それでは、どうすれば糖尿病を予防できるのでしょうか？

食事の見直し
　糖質をまったく摂らないのではなく、上手にコントロールすること。白米を玄米に変える、飲み物を無糖にする、それだけでも血糖値の急上昇を防げます。
定期的な運動
　ウォーキングや軽い筋トレで筋肉を動かすことで、余分な糖をエネルギーとして燃やすことができます。
睡眠とストレス管理
　睡眠不足や過剰なストレスも、血糖コントロールを乱します。毎日の睡眠リズムを大切に。
定期的な健康診断
　血糖値やヘモグロビンA1c（HbA1c）をチェックし、自分の現状を知ることが予防の第一歩です。