祇園祭を徹底深掘り!歴史、由来、別名称まで全解説|世界無形文化遺産・京都の夏の大祭り

豆知識
higejii(ひげ爺)
higejii(ひげ爺)

こんにちは!京都・八坂神社の壮大な祭礼「祇園祭」について、今日はみなさんと一緒に深掘りしていきたいと思います。テレビやニュースで一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、「なぜ祇園祭はこれほど長く愛されているのか」「祇園祭って実は他にも呼び方がある?」そんな素朴な疑問から、千年を超える歴史や、知られざるエピソードまでお伝えします。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

祇園祭とは?その概要

祇園祭は、毎年7月1日から31日まで京都中心部・八坂神社とその氏子町内を舞台に1か月にわたり開催される、日本三大祭りのひとつです。ユネスコ無形文化遺産にも登録され、いまや海外からも大勢観光客が訪れる、一大イベント。見どころは何といっても、中旬に行われる豪華絢爛な「山鉾巡行」と、神秘的な神輿渡御。

歴史は1100年以上、平安時代にさかのぼる【誕生ストーリー】

その歴史はなんと約1,100年前、平安時代の869年にまでさかのぼります。当時、京の都や日本各地で疫病が流行。人々はこれを悪霊や「牛頭天王」の祟りではないかと考え、都にあった広大な庭園「神泉苑」に、当時の日本の国の数と同じ66本の鉾を立て、八坂神社の神様を神輿に乗せて現地へ迎え、疫病退散を祈願したのが祇園祭(当初は祇園御霊会=ごりょうえ)の始まりでした

この時行われたのが「御霊会(ごりょうえ)」――非業の死を遂げた人の霊を鎮め、疫病や災害から都を守ろうという想いが込められていました

祇園祭の進化と町衆の力

室町時代になると、町人たち(町衆)が経済力を持ち始めて鉾や山を建てるようになり、祭りはますます華やかに発展。応仁の乱(1467-1478)で一時中断しましたが、都が復興するとともに15世紀末に再興され、それ以降は町単位で山鉾を競い合って豪華に飾り立てる伝統が根付きました

中世~近世にはペルシャやベルギー、中国など遠い国からもたらされたタペストリーや装飾品を身にまとい、「動く美術館」とも称されるようになります

祭神と厄除けの粽(ちまき)

祭りの中心は八坂神社の主神・スサノオノミコト、そして家族であるクシナダヒメノミコトや八柱御子神。期間中、神輿で氏子町内を巡行し、厄除け・疫病退散を祈願します。祇園祭ならではの厄除け「粽(ちまき)」にも伝説があり、旅人に扮したスサノオノミコトが蘇民将来のもてなしに感謝し、彼の一族を茅の輪で疫病から守ったという故事が今に伝わっています。祇園祭の粽は食べ物ではなく、玄関先に飾る守り札なんですよ。

祇園祭のハイライト:山鉾巡行と多彩な祭事

祇園祭は1か月間、細かい神事や行事が連日繰り広げられます。

  • 7月1日:吉符入(きっぷいり) 八坂神社と山鉾町で祭りに携わる意思決定の行事で開幕。
  • 7月10日:神輿洗式 神輿を清める神聖な儀式。
  • 7月14日〜16日:宵山(よいやま) 夜、山鉾に無数のちょうちんが灯り幻想的な雰囲気に包まれます。
  • 7月17日:前祭・山鉾巡行&神幸祭 絢爛な山鉾23基が祇園囃子とともに京都の通りを進みます。
  • 7月21日〜23日:後祭・宵山
  • 7月24日:後祭・山鉾巡行(11基)&還幸祭
  • 7月31日:夏越祭(なごしさい) 1か月に及ぶ祭りが総仕上げを迎えます

山鉾巡行とは?

「山鉾(やまほこ)」は全部で34基+休山1基。「鉾」は数トンもの重さと高さ25m前後という巨大な装置で、車をつけてお囃子とともに曳行。「山」はご神体が載る舞台、たいていは一場面を再現するお人形が乗ります。釘をまったく使わず縄だけで組み上げる伝統技術も見逃せません

山鉾巡行はもともと「神幸祭(しんこうさい)」に先立ち、神の道を清め厄を払う露払いの意味もあります。

  • 前祭(さきまつり):23基の山鉾が中心部を巡行
  • 後祭(あとまつり):11基が巡行。大船鉾などは江戸末期までの姿を現代に復元

各鉾では限定の粽やお守りも授与され、それぞれご利益が違うのも魅力です(学業成就、勝運、安産など)

知ってた?祇園祭の別名称

実は「祇園祭」にはいくつか別名があります。その筆頭が「鱧(はも)祭」!

どうして鱧かというと、ちょうど祭りの時期が鱧の旬でもあり、古くから祇園祭と言えば鱧料理で風流を味わう文化が根付いています。さらに淡路島から八坂神社へ鱧を奉納する「はも道中」など、京都人にとって祭りと鱧は切っても切れない関係。祭りのグルメエピソードとしても、ぜひ覚えておいてください。

他にも「祇園御霊会(ごりょうえ)」「祇園会(ぎおんえ)」と呼ばれていた歴史があります

祇園祭を彩る主な行事と豆知識

  • 稚児(ちご):長刀鉾の「生稚児(いきちご)」は祭りの顔。選ばれた稚児がしめ縄を切り、全体の無病息災を願います
  • 花傘巡行:後祭の締めくくりとして、芸妓や舞妓、子供神輿など華麗な行列が進みます
  • 町衆パワー:火災や戦乱で何度も中断しながらも、都の商人・町人たちの力で復活し続けた不屈の祭り魂。
  • 山鉾の装飾:海外から伝来した西陣織やゴブラン織なども見もの。「動く美術館」とも称されています

まとめ|祇園祭は「京都人の生きる証」

1100年以上も続く伝統の奥には、「みんなで都を守り、祈り、楽しむ」という変わらない願いがあります。今では世界無形文化遺産、日本三大祭に数えられ、京都の夏といえばこの祇園祭。毎年少しずつ形を変えつつも、古からの魂は引き継がれています。

観光客も地元の人も、どこかで「祇園祭を体感しないと夏が始まらない!」という思いが胸にあるのではないでしょうか?

あなたも祇園祭を体感してみませんか?

京都の夏は、祇園祭に始まり祇園祭に終わる――人ごみも汗も、祭囃子や山鉾のきらめきも、どれもきっと忘れられない思い出になります。今年はぜひ実際に足を運んで、祇園祭の空気を五感で感じてみてください。「鱧祭」の別名にふさわしい旬の鱧料理もお忘れなく!

コメント