
みなさんは普段、スマホやテレビで動画を見るときにどんなサービスを使っていますか?
「Netflix(ネットフリックス)でアニメを見ている」
「Amazonプライム・ビデオで映画を楽しんでいる」
「YouTubeなら毎日ずっと見ている」
きっと、人それぞれお気に入りのアプリがあると思います。
今や、インターネットを通じて映画やアニメ、ドラマを見る「動画配信サービス(VOD:ビデオ・オン・デマンド)」は、私たちの生活になくてはならないものになりました。
では、「世界全体で見たときに、一番使われている動画配信サービスは何なのか」と考えたことはありますか?
日本で人気のサービスが、実は世界ではあまり使われていなかったり、逆に世界では絶大な人気を誇るサービスが日本に上陸していなかったりすることもあります。
この記事では、世界中の動画配信サービスについて、シェア(利用者の割合)や登録者数をもとにランキング形式でわかりやすく解説していきます。世界と日本の違いや、これから動画配信サービスがどうなっていくのかまで、専門用語を使わずに解き明かしていきましょう。
そもそも「動画配信サービス(VOD)」とは?
ランキングを見る前に、まずは「動画配信サービス」の基本的なしくみについて、おさらいしておきましょう。
動画配信サービスは、英語でVOD(Video On Demand:ビデオ・オン・デマンド)と呼ばれます。 「オン・デマンド」とは「注文に応じて」という意味です。つまり、「自分が見たいと思ったときに、見たい動画をすぐに再生できる仕組み」のことを指します。
昔のテレビ放送は、決められた時間にテレビの前にいなければ番組を見ることができませんでした。しかし、VODの登場によって、私たちは時間や場所に縛られずに動画を楽しめるようになったのです。
現在、VODには大きく分けて3つの仕組み(ビジネスモデル)があります。
| サービスの種類 | 仕組み | 代表的な例 |
| SVOD(定額制) | 月額料金を払えば、対象の動画が見放題になる | Netflix, Amazonプライム |
| AVOD(広告型) | 視聴は無料だが、途中で動画広告が流れる | YouTube, TVer |
| TVOD(レンタル型) | 作品ごとに数百円を払って、一定期間だけ借りて見る | iTunes, Google Play |
この記事で主に注目するのは、有料で会員登録をして楽しむ「SVOD(定額制動画配信サービス)」の世界シェアです。
【世界シェアランキング】一番使われている動画配信サービスはどこ?
それでは、世界中でどれくらいの人が各サービスを使っているのか、有料会員数をもとにしたランキング形式で紹介します。
(※有料会員数や市場データは、各社の決算発表および世界的な調査機関の公開情報をもとに作成しています)
第1位:Netflix(ネットフリックス)〜世界最強の動画エンタメ企業〜
有料会員数:約2億8,000万人〜3億人規模
世界で最も多くの人に利用されている定額制動画配信サービスは、やっぱりNetflixです。
アメリカで生まれたこの会社は、もともとは「DVDの宅配レンタルショップ」でした。それがインターネットの発展とともにオンライン配信へ切り替え、今や世界190ヶ国以上で使われるメガサービスへと成長しました。
Netflixが世界一である理由
- オリジナルの作品が圧倒的に面白いNetflixの最大の強みは、自分たちで作っている「オリジナル作品」の質の高さです。巨額の資金を投じて、映画館で上映される映画と同等、あるいはそれ以上のクオリティでドラマや映画を作っています。日本の『今際の国のアリス』や、韓国の『イカゲーム』など、世界中で大ヒットする作品を次々と生み出しています。
- 国ごとの好みに合わせた番組づくり(ローカライズ)アメリカの作品をただ世界に配るだけでなく、日本ならアニメや日本のドラマ、韓国ならK-ドラマ、インドならボリウッド映画というように、その国の人たちが大好きなコンテンツを現地で作る能力に長けています。
第2位:Amazon Prime Video(アマゾン・プライム・ビデオ)〜圧倒的なコスパで世界を包囲〜
有料会員数:約2億人〜2億2,000万人(※プライム会員全体)
第2位は、ネットショッピングでおなじみのAmazonが運営するAmazon Prime Videoです。
Amazonプライムのすごさとは?
Amazonプライム・ビデオの最大の特徴は、「買い物のお得な特典のついでに動画が見られる」という点です。
Netflixの場合、動画を見るためだけに毎月お金を払います。しかし、Amazonの場合は「荷物がすぐ届く配送料無料サービス(Amazonプライム会員)」に加入すると、おまけのように動画が見放題になります。
この「生活に密着したお得感」のおかげで、世界中で非常に多くの人が利用しています。また、最近ではスポーツの生中継(ボクシングの世界タイトルマッチや野球の国際大会など)にも力を入れており、さらに利用者を増やしています。
第3位:Disney+(ディズニープラス)〜圧倒的なブランド力とキャラクター〜
有料会員数:約1億5,000万人〜1億6,000万人
第3位は、みんなが大好きなディズニーが運営するDisney+(ディズニープラス)です。
2019年にサービスを開始した比較的新しいサービスですが、あっという間に世界トップクラスの仲間入りを果たしました。
Disney+の強み
Disney+の強みは、なんと言っても「持っているキャラクターや作品の強さ」です。
- ディズニーのアニメーション作品(『アナと雪の女王』『ミッキーマウス』など)
- ピクサーの作品(『トイ・ストーリー』など)
- マーベルのヒーロー作品(『アベンジャーズ』など)
- スター・ウォーズ シリーズ
- ナショナル ジオグラフィック(自然・科学ドキュメンタリー)
子供から大人まで、ファンなら「これを見るためだけにお金を払う価値がある」と思わせる強い作品を独占して配信できるのが、ディズニー最大の武器です。
第4位:Tencent Video・iQIYI(中国勢)〜14億人の市場が生み出す超巨大サービス〜
有料会員数:それぞれ約1億人〜1億2,000万人
欧米のサービス以外で無視できないのが、中国の動画配信サービスです。代表的なものに「テンセント・ビデオ(Tencent Video / 騰訊動画)」や「アイチーイー(iQIYI / 愛奇芸)」があります。
中国では、政府の規制によりGoogle(YouTube)やNetflixなどが基本的に使えません。その代わり、中国国内で独自のIT企業が目覚ましい発達を遂げました。
中国は人口が約14億人もいるため、中国国内のユーザーだけで有料会員数が1億人を超えてしまうという、非常に大きな規模を持っています。最近では、中国の時代劇ドラマやアニメがアジア中で人気を集めており、中国国外への進出も進んでいます。
第5位:Max(旧HBO Max)〜本格派ドラマの最高峰〜
有料会員数:約1億人前後(グループ全体)
アメリカのメディア巨大企業「ワーナー・ブラザース・ディスカバリー」が運営するサービスです。
『ハリー・ポッター』シリーズや『DCコミックス(バットマンやスーパーマン)』の映画、そして全米で歴史的大ヒットとなった数々の高級ドラマシリーズを配信しています。欧米では非常に高い人気と知名度を誇っています。
番外編:有料ではないけれど「世界最強」の動画王者
有料の会員数を基準にするとNetflixが首位ですが、「無料も含めて世界で一番見られている動画配信サービス」といえば、間違いなくYouTubeです。
- YouTubeの月間利用人数:約25億人以上
世界中の人口が約80億人ですので、地球上の約3人に1人がYouTubeを使っている計算になります。
YouTubeは基本的に広告収入で成り立っているため(AVOD)、誰もが無料で楽しむことができます。
「お金を払って映画やプロの作品を見るVOD」と、「一般の人やクリエイターが動画を投稿して世界中の人が見るYouTube」は少し種類が違いますが、「人々の時間を一番奪っている動画サービス」という意味では、YouTubeこそが世界の頂点に君臨しています。
日本と世界の市場の違い〜なぜ日本は特殊なのか?〜
ここまで世界全体のシェアを見てきましたが、実は日本の動画配信サービスの状況は、世界基準と少し違っています。
日本は、世界のVOD企業から見ると「とても独特で、面白い市場」と言われています。その理由をいくつか紐解いてみましょう。
違い①:国内独自のサービスがとても強い
海外の多くの国では、NetflixとAmazonプライム・ビデオ、Disney+の3大巨頭が市場をほとんど独占しています。
しかし、日本では海外から来たサービスだけでなく、日本国内の会社が運営するサービスが非常に健闘しています。
- U-NEXT(ユーネクスト)日本発のサービスとして非常に高い人気を持っています。映画やドラマだけでなく、マンガや雑誌も読めるのが特徴です。国内のサービス同士が統合を重ねることで、規模を大きく拡大しています。
- TVer(ティーバー)日本の民放テレビ局が共同で運営している見逃し配信サービスです。無料でテレビ番組が見られるため、日本国内で絶大な利用率を誇っています。
- ABEMA(アベマ)インターネット上の「新しいテレビ局」として、ニュースやオリジナルの恋愛リアリティショー、アニメ、スポーツなどを無料で放送しています。
違い②:「アニメ」というコンテンツの圧倒的なパワー
世界中で配信サービスが買収合戦や会員集めを行っていますが、日本において会員数を増やす一番のカギは「アニメ」です。
日本のアニメ作品は、子どもだけでなく大人まで幅広い世代が見ます。
そのため、NetflixやAmazonプライム・ビデオも、日本市場で勝つために「どれだけ人気のアニメを揃えられるか」「オリジナルのアニメを作れるか」に必死になっています。
違い③:テレビ文化が今でも強く残っている
欧米では、地上波のテレビ放送から完全に動画配信サービスへ乗り換える人(コードカッティングと呼ばれる現象)が急速に増えました。
一方、日本の場合は「テレビをつければ高品質な番組が無料でいつでも見られる」という環境が整っていたため、テレビの文化も根強く残っています。そのため、「普段はテレビやTVerを見て、特別に見たい作品があるときだけNetflixを見る」というような使い分けをしている人が多いのも日本の特徴です。
世界シェアから見る、今後の動画配信サービスの未来
これから動画配信サービスの世界はどうなっていくのでしょうか?
専門家の間でも予測されている、未来の3つの変化について紹介します。
① アカウント共有の禁止と「広告付きプラン」の増加
これまでの定額制サービスは「月額1,000円で見放題」という形が基本でした。しかし、世界中で会員数の伸びが落ち着いてきたため、各社は新しい稼ぎ方を模索しています。
その一つが「広告付きの安いプラン」です。
「月額料金を安くする代わりに、作品の途中で少しだけ広告が流れる」というプランを、NetflixやDisney+などが導入し始めています。
「お金を節約したいけれど動画は見たい」というユーザーが増えたため、この広告付きプランが今、世界中で急速にシェアを伸ばしています。
② 映画だけじゃない!「スポーツの生中継」が主戦場に
これまでのVODは、あらかじめ録画された映画やドラマを見ることが中心でした。しかし最近では、「スポーツのリアルタイム配信」に各社が力を入れています。
- Amazon:アメリカのアメリカンフットボール(NFL)や、日本のプロボクシング、野球の配信
- Apple(Apple TV+):アメリカのプロサッカーリーグ(MLS)の独占配信
- Netflix:プロレス(WWE)の生配信や、有名スポーツ選手のイベント試合
スポーツの生中継は「その時間にリアルタイムで見たい」という熱狂的なファンを多く引きつけられるため、新しい会員を増やすための強力な武器になっています。
③ AI(人工知能)を使った「あなたへのおすすめ」の進化
動画配信サービスを開いたとき、「あなたへのおすすめ」というコーナーが表示されますよね。
あれは、AIが「あなたが過去にどんな動画を最後まで見たか」「どんなジャンルの動画を途中でやめたか」を細かく分析して表示しています。
今後はAIの技術がさらに進化し、「あなたの今の気分」や「今日の天気」、「見ている時間帯」に合わせて、最も楽しめる動画を自動で提案してくれるようになります。探す手間がゼロになり、アプリを開いたらすぐに自分が大好きな動画が流れるような時代がやってきます。
まとめ:あなたにぴったりの動画サービスの選び方
最後に、世界シェアを踏まえたうえで、「結局自分にはどのサービスが合っているんだろう?」と迷っている方のために、簡単な選び方をまとめました。
【タイプ別・おすすめ動画配信サービス】
★「話題の海外ドラマや、最高のクオリティのオリジナル作品を見たい!」
👉 **Netflix** がおすすめ
★「買い物もよくするし、なるべく安くたくさんの動画を楽しみたい!」
👉 **Amazon Prime Video** がおすすめ
★「ディズニー、マーベル、スター・ウォーズの世界に浸りたい!」
👉 **Disney+** がおすすめ
★「日本の最新アニメ、ドラマ、マンガまで幅広く全部楽しみたい!」
👉 **U-NEXT** がおすすめ
★「お金を一切払わずに、いろんな動画を気軽に見たい!」
👉 **YouTube** や **TVer** がおすすめ
世界中には数多くの動画配信サービスが存在し、それぞれが独自の強みを持って競い合っています。
世界シェア1位のNetflixのような巨大サービスもあれば、日本のテレビ文化に特化したTVerのような無料サービスもあります。大切なのは、「一番シェアが大きいから」という理由だけで選ぶのではなく、「自分や家族が一番見たい作品があるか」で選ぶことです。
技術の進歩とともに、私たちの動画の楽しみ方はこれからもどんどん進化していきます。ぜひ、自分にぴったりのサービスを見つけて、素敵な動画ライフを楽しんでくださいね。
※本記事に記載されている会員数やサービス内容は、公開されている最新の決算資料や市場調査データをもとに作成した目安の数値です。サービス内容や料金は変更される場合がありますので、最新情報は各サービスの公式サイトをご確認ください。

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