このケースのポイント

今回の前提は以下です。
・87歳
・認知症あり
・施設入所中
・月6,800円の医療保険
・死亡保障なし(医療のみ)
この条件では、「将来のための保険」ではなく「今後どれだけ役に立つか」が判断の軸になります。
医療保険の役割を正しく理解する
まず大切なのは、医療保険が何に使われるかです。
医療保険は主に以下をカバーします。
・入院したときの給付金(1日いくら)
・手術したときの給付金
・通院特約があれば通院費用
しかし、認知症で施設に入っている場合、日常の生活費や介護費用は「医療保険ではなく介護保険」の領域です。
つまり、施設費用=医療保険では基本カバーされないという点が重要です。
高齢者の入院リスクは確かに高い
87歳という年齢では、入院の可能性はゼロではありません。
よくある入院理由:
・肺炎
・転倒による骨折
・脱水や感染症
・心疾患
そのため、医療保険が「全く意味がない」とは言い切れません。
ただし公的制度でかなりカバーされる
ここが最も重要なポイントです。
日本には「高額療養費制度」があります。
これは、医療費が高額になっても一定額以上は負担しなくてよい制度です。
例えば高齢者の場合:
・月の医療費負担に上限がある
・年金収入が少ないほど自己負担は低い
つまり、「ものすごく高額な医療費になるリスク」はかなり抑えられています。
医療保険が役立つのはどんな時か
医療保険が意味を持つのは主に次のケースです。
・差額ベッド代(個室など)
・食事代
・入院中の雑費
・家族の交通費など
これらは公的制度ではカバーされません。
月6,800円という金額の考え方
ここで冷静に計算してみます。
年間保険料:
6,800円 × 12ヶ月 = 81,600円
5年間で約40万円
この金額をどう考えるかが重要です。
解約を検討してよいケース
以下に当てはまるなら、解約は十分現実的です。
・すでに施設入所で生活が安定している
・貯金で急な出費に対応できる
・長期の入院が想定しにくい
・保険内容が「1日5,000円程度」など低め
・家族の経済負担を減らしたい
特に、「保険料を払い続ける方が負担になる」場合は、無理に続ける必要はありません。
解約を慎重に考えるべきケース
一方で、次の場合は継続も検討します。
・貯金がほとんどない
・入院時の費用が心配
・保険の給付が手厚い(例:1日1万円以上)
・すでに何度か給付を受けている
・家族が安心材料として残したい
見落としがちな重要ポイント
解約前に必ず確認してください。
・1入院あたりの支払限度日数(例:60日・120日)
・通算支払限度
・手術給付の有無
・認知症関連の入院が対象か
・解約返戻金(ほぼ無いことが多い)
特に古い保険は条件が良い場合もあります。
施設入所中の現実
施設に入っている場合、実際には次の傾向があります。
・長期入院より「施設内でのケア」が中心
・入院しても短期間で戻ることが多い
・医療より介護が中心になる
つまり、医療保険の出番はそれほど多くない可能性があります。
判断の結論(現実的な考え方)
このケースに限って言えば、「絶対に必要な保険ではない」というのが現実的な判断です。
特に、
・87歳
・認知症
・施設入所済み
この3つがそろっている場合、将来のための保険という意味はほぼなくなります。
それでも迷う場合のシンプルな判断基準
迷ったときは次の1点で考えると分かりやすいです。
「この保険、あと5年で40万円払う価値があるか?」
ここで
・安心を取る → 継続
・負担を減らす → 解約
とシンプルに判断できます。
まとめに代えて
医療保険は「若い人が将来に備えるもの」という側面が強く、
高齢になってからは「費用対効果」が重要になります。
今回のようなケースでは、
・公的制度が充実している
・施設での生活が中心
という点から、
「無理に続ける必要はない」という判断も十分合理的です。
ただし、最終判断は
・家族の安心
・経済状況
・保険内容
この3つを見て決めるのが安全です。

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