
みなさんは普段「パンケーキ」と「ホットケーキ」、どちらを使っていますか?
「え、同じものじゃないの?」と思った方も多いでしょう。実はこの2つ、呼び方だけの違いではありません。歴史をひも解いていくと、日本独特の食文化やカフェトレンドが深く関わっているんです。
今日はパンケーキとホットケーキの違いを、わかりやすく、そしてちょっとお腹が空くようにお話していきます。
パンケーキとは?
パンケーキは英語で「pancake」。“pan(フライパン)+cake(ケーキ)”の意味からきていて、直訳すると「フライパンで焼くケーキ」というシンプルな名前です。
海外では砂糖を控えた生地にして、食事として楽しむことも多いんですよ。カナダやアメリカではメープルシロップをたっぷりかけ、イギリスでは薄く焼いてクレープのように食べることもあります。
要するに「パンケーキ」とは、世界中に存在する“焼きケーキ”の総称。必ずしも甘い食べ物を指すわけではないんですね。
ホットケーキの誕生秘話
一方で日本で多くの人が親しんでいるのは「ホットケーキ」。
実はこの名前、昭和初期に登場しました。当時、洋菓子の文化が徐々に日本に広まり、森永製菓が「ホットケーキミックス」を発売したことが、今の私たちのイメージの原点です。
“ホット”には「温かい」という意味とともに「最新・流行している」というニュアンスもありました。昭和の子どもたちにとって、ホットケーキは「特別なおやつ」。休日にお母さんがホットケーキミックスで作ってくれるふわふわの厚焼き。それは甘い思い出として多くの人の記憶に残っているのではないでしょうか。
違いを整理すると?
ここで一度、「パンケーキ」と「ホットケーキ」の違いをすっきり整理してみましょう。
- パンケーキ
- 世界中にある総称
- 食事にもデザートにもなる
- 薄いものから厚いものまで幅広い
- 名前は英語由来
- ホットケーキ
- 日本独自の呼び方
- 昭和に定着したミックス粉文化
- 基本的に甘いおやつとして食べられる
- 厚め&ふわふわのイメージが強い
つまり、パンケーキの中に「ホットケーキ」という日本的解釈が存在すると考えるとスッキリしますね。
カフェブームと「パンケーキ」の逆襲
2000年代以降、日本のカフェ文化が一気に進化する中で、再び“パンケーキ”という言葉が市民権を得ました。
特に原宿や表参道で大行列を作ったハワイアンパンケーキや、リコッタチーズ入りのふわしゅわタイプなどは、皆さんもSNSで目にしたことがあるでしょう。
カフェのメニューとしては「ホットケーキ」より「パンケーキ」の方がスタイリッシュに感じられる…そんなブランディングも大きかったのです。今では若い世代にとっては「パンケーキ」が主流になり、「ホットケーキ」は懐かしさを感じさせる言葉になっています。
家で楽しむならどっち?
ここで気になるのは、「じゃあ家で作るときはどっち?」ということ。
ふわふわ厚焼きが食べたければ、ホットケーキミックスで十分満足できます。牛乳と卵を加えて焼くだけで、失敗しにくく、子どもとも一緒に楽しめますね。
一方で「カフェ風パンケーキ」に挑戦したい場合は、小麦粉、ベーキングパウダー、砂糖を自分で計量し、リコッタチーズやメレンゲを加えると、プロ顔負けの仕上がりに。トッピングはベリーやナッツ、フルーツソースをかけて、インスタ映え間違いなしです。
世界のパンケーキ文化
少し寄り道ですが、世界のパンケーキ文化を見てみましょう。
- アメリカ:朝食の定番。バターとシロップが鉄板。
- フランス(クレープ):薄く焼き、甘いだけでなくハムやチーズなど食事にも◎。
- オランダ(パンネクック):大皿サイズで、具材が生地に練り込まれることも。
- 韓国(ホットク):中にシロップやナッツを入れて揚げ焼き。
こう並べると、パンケーキは“国ごとの個性を反映する料理”といえますね。日本のホットケーキも、その一例なのです。
まとめ:パンケーキもホットケーキも正解!
結局のところ、パンケーキとホットケーキの違いは歴史と文化の中で生まれた“呼び方の違い”といえます。
海外の幅広い「パンケーキ文化」と、日本の家庭で愛された「ホットケーキ」。どちらも正しく、どちらも魅力的。
次にお店でパンケーキを食べるとき、「あ、これ日本のホットケーキと同じルーツなんだな」と思い出してくれたら嬉しいです。
そして休日にはぜひ、ご家庭でホットケーキを焼いてみてください。焼き立ての香りとバターが溶ける光景は、きっと何よりのごちそうになりますよ。
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