洞不全症候群とは?症状・原因・治療法をわかりやすく解説【放置は危険】

豆知識
higejii(ひげ爺)
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みなさんは、「脈が遅い」「急にめまいがして倒れそうになった」という経験はないでしょうか?
もしかすると、それは「洞不全症候群(どうふぜんしょうこうぐん)」が関係しているかもしれません。

洞不全症候群とは、心臓のリズムをつかさどる「洞結節(どうけっせつ)」という部分がうまく働かなくなり、脈拍が遅くなったり止まったりする状態をいいます。正常な人の心臓は安静時で1分間に60〜100回程度の脈を刻みますが、この仕組みが故障すると血液が全身に流れにくくなり、脳に酸素が届かなくなることもあるのです。

特に高齢者に多いですが、若い世代にも見られるケースがあります。放置すると失神や転倒事故、さらには突然死のリスクもあるため、注意が必要です。

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なぜ洞不全症候群になるの?

では、どうして洞結節が異常を起こしてしまうのでしょうか。原因はいくつかあります。

  • 加齢による洞結節の機能低下
  • 心筋梗塞や心筋症など心臓の病気に伴う変化
  • 抗不整脈薬やβ遮断薬など薬の副作用
  • 自律神経のバランス異常
  • まれに先天的な異常

つまり、高齢化社会の日本においては特に注目すべき疾患といえます。「年のせいかな」と思っていた症状が、実は心臓からのサインだった…そんなことも少なくありません。

主な症状

洞不全症候群の症状は、「脈が遅い」ことから生じる血流不足が原因です。代表的なものを挙げてみましょう。

  • めまい、ふらつき
  • 失神(気を失う)
  • 動悸、胸の違和感
  • 倦怠感や息切れ
  • 集中できない、頭がぼーっとする

症状の程度は人それぞれで、軽いと「ちょっと調子が悪い」程度で済みますが、重いと突然倒れて大きなケガにつながることもあります。

診断の方法

洞不全症候群を調べるには心電図検査が欠かせません。次のような異常が確認されます。

  • 脈が異常に遅い(徐脈)
  • 脈が止まる(心停止が数秒以上)
  • 脈が遅くなったり速くなったりする(徐脈頻脈症候群)

通常の心電図では異常が出ないこともあるため、24時間装着するホルター心電図や、場合によっては体内に長期的に記録装置を入れることもあります。

治療法

気になるのは「治療で治るの?」という点です。
洞不全症候群は自然に回復することはほとんどなく、多くの場合は以下の方法が選ばれます。

  • 原因となる薬の中止・調整
  • ペースメーカーの植え込み

特にペースメーカーは洞不全症候群のもっとも有効な治療法です。小さな機械を胸の皮下に埋め込み、一定のリズムで電気信号を送って心臓を動かす仕組みです。手術自体は比較的安全で、多くの人が日常生活へ復帰できます。

放置するとどうなる?

放置してしまうと、失神や転倒により骨折を起こしたり、自動車運転中であれば重大事故につながる危険があります。また、心臓が長く止まれば命の危険すらあります。

「ただの疲れかな」「年だから仕方ない」と思っていても、実は洞不全症候群かもしれないのです。早めの受診が何よりも大切です。

生活で気をつけたいこと

治療後も、生活習慣に気を配ることが重要です。

  • 定期的に医師の診察を受ける
  • 薬の飲み忘れ・自己中断をしない
  • 過度な飲酒や喫煙を避ける
  • 睡眠不足や強いストレスに注意
  • 適度な運動で心肺機能を維持

特にペースメーカーを入れた方は、定期的な機械チェックを欠かさないようにしてください。

読者への問いかけ

「最近よくめまいがする」「脈が遅い気がする」――そんな経験はありませんか?
もしかすると、それは心臓からのSOSサインかもしれません。もし気になる症状があれば、自己判断せず、早めに循環器内科を受診してみてください。

心臓は人生を支える大切なエンジン。少しの異変も見逃さないことが、あなた自身を守る力になります。

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