会社での電話対応終焉！20代の7割以上が電話恐怖症～そして原則禁止の企業も

20代の7割以上が電話恐怖症、その背景とは？

まずは衝撃のデータから。AI電話自動応答サービスを手掛ける企業の調査によれば、20代社会人の74.8％が「電話に苦手意識がある」と回答。30代でも64％と、若い世代ほど電話に対して強い抵抗感を持っていることが明らかになっています。

この「電話恐怖症」、SNSでも数年前から話題になっており、特にテレワークの普及により「誰かが取ってくれるだろう」と電話対応が敬遠される傾向が加速。オフィスの電話が鳴りっぱなしになる現象も珍しくありません。

なぜ若者は電話が怖いのか？

• 即答のプレッシャー
  チャットやメールと違い、電話は「その場で即答」しなければなりません。自分の知識で正しく答えられるか不安、上司にうまく取り次げるか不安、といった声が多く聞かれます。
• “消せない”発言の重み
  電話は一度口にした言葉を「削除」できません。言葉遣いや内容を確認する余裕がなく、ミスが許されないというプレッシャーが、経験の浅い若手を追い詰めます。
• タイパ（タイムパフォーマンス）志向
  若い世代は「自分のペースで仕事を進めたい」という意識が強く、緊急性の低い電話で時間を奪われることに強いストレスを感じる傾向があります。
• “突然”のストレス
  電話は相手の都合で突然かかってくるため、受け手の準備ができていないまま対応を迫られることが多いのです。

電話恐怖症がもたらす職場の“負のスパイラル”

電話恐怖症を放置すると、本人だけでなく職場全体に悪影響が広がります。

• 罪悪感と自己否定
  他の人がスムーズに電話対応しているのを横目に、自分は固まってしまう。その繰り返しで「自分は仕事ができない」「ダメな人間だ」と自己否定に陥りやすくなります。
• 職場での居心地の悪化
  電話が苦手なことを周囲に知られたくなくて萎縮し、職場での居心地が悪くなります。
• 成果が上がらずキャリア停滞
  自信をなくし、積極的に仕事に取り組めなくなれば、成果も上がらずキャリアアップも遠のく「負のスパイラル」に陥る危険性が高まります。
• 離職リスクの増加
  実際に「電話対応が嫌で退職した」という若者の声もSNSで多く見られ、人事担当者の悩みの種となっています。

電話対応“原則禁止”の企業も登場！新しい働き方の潮流

こうした背景から、電話対応そのものを見直す企業が増えています。

• 電話業務の廃止・縮小
  ベンチャー企業を中心に、固定電話を廃止し、メールやチャット、ウェブサイト経由の問い合わせに切り替える動きが広がっています。
• 業務時間外の電話禁止
  一部企業では、勤務時間外の電話やメール対応を原則禁止。自動音声や留守番電話を活用し、取引先にも「対応可能な時間」を明示するなど、従業員の“つながらない権利”を守る取り組みが進んでいます。
• 電話対応の自動化・外部委託
  コールセンターやAI自動応答サービスを導入し、社員が直接電話を受ける負担を減らす企業も増加中です。

それでも「電話業務はなくならない」現実と、企業の課題

一方で、アンケートによると「仕事には固定電話が必要」と答える人が9割にのぼり、電話業務が完全になくなるわけではないという現実もあります。

• 顧客や取引先の高齢化
  電話を主な連絡手段とする顧客層も多く、特にBtoBビジネスやサービス業では「電話ゼロ」は難しいのが現状です。
• 電話対応の属人化・負担の偏り
  電話を取る人が固定化され、特定の部署や若手に負担が集中する問題も深刻です。

電話恐怖症を乗り越えるためにできること

「電話恐怖症は甘え」などと一蹴するのは時代遅れ。企業も個人も、現実的な対策が求められています。

個人ができる工夫

• 電話対応マニュアルの作成
  よく使うフレーズや想定問答をまとめたマニュアルを手元に用意しておくと安心です。
• 即答できない場合は“折り返し”を活用
  わからないことは無理にその場で答えず、「後ほど折り返します」と伝えることで、冷静に対応できます。
• ロールプレイや練習の積み重ね
  先輩や同僚と電話応対の練習を重ねることで、徐々に自信をつけていきましょう。

企業ができる工夫

• 電話対応の負担分散
  特定の人に偏らないよう、電話当番制やローテーションを導入する。
• 自動応答や外部委託の活用
  AIやコールセンターを活用し、社員の負担を軽減する。
• “つながらない権利”の尊重
  勤務時間外の電話・メール対応を原則禁止し、働きやすい環境を整える。

電話恐怖症の時代、あなたはどう生きる？

「電話対応ができない＝社会人失格」なんて時代は、もう終わりに近づいています。むしろ、時代の変化に合わせて働き方を柔軟にアップデートできる人・企業こそが、これからの社会で生き残っていくのではないでしょうか。

もしあなたが電話恐怖症で悩んでいるなら、「自分だけじゃない」と知ることが第一歩。企業の側も、「電話対応が苦手な若手が増えている」という現実を直視し、無理な強制ではなく、時代に合ったコミュニケーションのあり方を模索していく必要があります。

まとめ

• 20代の7割以上が電話に強い苦手意識＝“電話恐怖症”を感じている。
• 電話恐怖症は本人の自信喪失や職場の雰囲気悪化、離職リスク増大など、さまざまな悪影響をもたらす。
• 企業側も電話対応の原則禁止や自動化、負担分散など、時代に合わせた改革を進めている。
• 「電話対応は社会人の基本」という価値観自体が、今まさに大きく変わろうとしている。

あなたの職場や働き方にも、きっと参考になるヒントが見つかったのではないでしょうか。これからの時代、電話恐怖症を「個人の問題」と切り捨てず、社会全体で新しいコミュニケーションの形を作っていきたいですね。