
みなさん、今年の夏は異常ともいえる猛暑が続いていますよね。ニュースを見ていると「観測史上最高気温を更新」という言葉が連日のように流れ、外に出るだけで命に危険が及ぶほどの暑さです。
そんな中で、毎年恒例の 「24時間テレビのマラソン企画」 に、中止を求める声が年々大きくなっていることをご存知でしょうか。
特に今年は、体温をも超える気温の中でマラソンを走らせることへの強い批判 がSNSを中心に拡大しています。
果たして、本当に「感動」を理由に人命を危険にさらしてよいのでしょうか?ここでは、その背景や問題点をじっくり考えていきたいと思います。
■ 「24時間テレビ」マラソン企画の位置づけ
まずは簡単におさらいしておきましょう。
日本テレビ系列の「24時間テレビ 愛は地球を救う」は、1978年に放送がスタートしました。その主役ともいえるのが、後半で大きな盛り上がりを見せる チャリティーマラソン企画。
著名人や芸人がランナーとして選ばれ、24時間かけて長距離マラソンを走破する姿に、多くの人が涙し、応援してきました。長年、この企画は「感動の象徴」とされてきたのは事実です。
しかし、年々過酷さが増しているのもまた現実です。昔と今では 気候条件が全く違う。これが最大の問題になっているのです。
■ 体温以上の気温の中で走る異常性
みなさん想像してみてください。気温が 37℃~39℃、湿度も70%を超えるような真夏日。これはもはや「災害級の暑さ」と呼ばれるレベルです。
人間の体温は36〜37度前後ですが、それに匹敵する気温の中を数時間走るなんて、冷静に考えれば「命を削る行為」ではないでしょうか。
特に恐ろしいのが熱中症です。
- 頭痛、吐き気、めまい
- 発汗異常
- 意識障害
これらは軽度でも危険信号。さらに重度になれば、多臓器不全や死亡につながるケースもあります。
つまり「耐えれば感動」といったレベルの話ではなく、医学的に避けるべきリスク にランナーを晒しているのです。
■ SNS上での中止を求める声
近年、Twitter(X)やInstagramなどのSNSでは、「24時間テレビのマラソンを中止すべき」という声が急増しています。
実際のコメントには、こんなものがあります。
- 「感動よりも命の方が大事では?」
- 「地球温暖化で危険すぎる」
- 「番組側の自己満足に見えてしまう」
一方で、「毎年楽しみにしている」という前向きな意見も少なくありません。
しかし、肯定側も「安全が確保されるのなら」という条件付きである場合がほとんど。つまり、多くの視聴者が「今のあり方には疑問」を持ち始めているのです。
■ 過去のトラブルと危険事例
実際に、過去の24時間テレビマラソンでは以下のような事例が報じられています。
- ランナーが極度の疲労や脱水症状に見舞われる
- 休憩時の点滴や医療スタッフによるサポートが必須だった
- 倒れこみながらゴールする姿が視聴者を不安にさせた
表向きには「無事完走」と伝えられますが、その裏ではギリギリの状態だったと関係者が語ることもあります。つまり、毎年「危険と隣り合わせ」の実情があるのです。
■ それでもマラソンを続ける理由とは?
では、なぜ日本テレビは中止の決断を下さないのでしょうか。
考えられる要因は大きく3つあります。
- 番組の象徴的役割
視聴者の関心を集めるクライマックス企画であるため、抜本的に外すのは難しい。 - 感動と話題性
走者の努力や「最後までやり遂げる姿」が翌日のニュースやSNSで拡散され、番組の評価や世間の注目度を高める。 - スポンサー・視聴率への影響
数十億円単位の募金や広告が動くため、「伝統」を突然やめることは大きなリスク。
ただし、これらの理由は「ビジネス的な側面」であり、そこに 安全や人命が軽視されていないか という疑問が残ります。
■ 他の形で感動は作れないのか?
ここで考えてみたいのが、「本当に走らなければ感動は生まれないのか?」という点です。
たとえば…
- VRやメタバースを活用した“バーチャルマラソン”
- 全国の視聴者が同時参加できる“オンラインチャレンジ”
- ランナーが走る代わりに被災地や福祉施設でのボランティアに挑戦する企画
感動のカタチは一つではないはずです。むしろ、安全で多くの人が参加できる企画の方が、時代に即した「愛と絆」の表現方法 になるのではないでしょうか。
■ 医学的見地から見た「限界」
スポーツ医学の専門家は口を揃えて言います。
「気温35度を超える環境でのフルマラソンは極めて危険」
東京オリンピックですら、酷暑対策のために 開催地を東京から北海道に変更 したのは記憶に新しいところですよね。世界的イベントですら暑さを避けたのに、テレビ番組が真夏の東京で挑行することが果たして合理的と言えるでしょうか。
■ まとめ:今、本当に大切なこと
ここまで読んでくださったみなさんは、きっとこう感じていると思います。
「やっぱり命をかけてまで走る必要はない」
視聴者が求めているのは「安全の上に成り立つ感動」であり、「命と引き換えにした感動」ではありません。
これから24時間テレビが未来へ続いていくためには、勇気ある変革 が必要だと思います。時代に合わない企画を続けることは、番組そのものの信頼性を失う可能性さえあるのです。
■ あなたに問いかけたいこと
最後に、この記事を読んでくださっているあなたへ質問です。
- 「命」と「感動」、どちらを優先すべきだと思いますか?
- もし自分や大切な人がランナーに選ばれたら、安心して参加を喜べますか?
ぜひ、あなた自身の答えを考えてみてください。そして、一緒に声を上げることが、この社会を少しずつ変えていく第一歩になるのかもしれません。
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