タコがマグロより高い?世界にタコのうまさがバレた!価格高騰の理由と日本の食卓への影響

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タコがマグロより高い?そんな時代がやってきた

higejii(ひげ爺)
higejii(ひげ爺)

「え、タコがマグロより高いの?」
初めてそう聞いたとき、多くの人が耳を疑うでしょう。
寿司ネタの王様といえばマグロ。脂の乗ったトロ、赤身の旨味、堂々とした存在感——。

一方、タコといえば、庶民的な存在です。スーパーの惣菜コーナーでは100グラム数百円で売られ、たこ焼き、酢の物、刺身など、食卓で気軽に登場します。
しかし、そんな「庶民派」のタコが、今や世界市場で“高級食材”として注目を浴びています。価格競争ではついにマグロを上回るケースも出てきているのです。

この現象、単なる一時的なブームではありません。世界中の食文化が変化している中で、タコの需要が急速に広がっているのです。

世界が気づき始めた「タコのうまさ」

以前、タコを食べる国は限られていました。
日本、韓国、地中海沿岸の一部、そしてアフリカ西岸地域くらい。
ところが、この10年で情勢は激変。アメリカ、ヨーロッパ、さらには中国まで、タコ料理に夢中になる人々が急増しています。

特にアメリカでは「スパニッシュタパス」や「韓国風タコ炒め」などが大人気。
ニューヨークやロサンゼルスの高級レストランでは、グリルしたタコがメインディッシュで30ドル(約4000円)以上という価格で提供されています。

SNSの影響も大きいです。
インスタグラムやTikTokでは、たこ焼きやたこ刺しの動画が拡散され、「タコ=ヘルシーで高タンパクな海のスーパーフード」として認知されています。
さらに、欧米では「サステナブルシーフード(持続可能な水産物)」の関心が高まり、タコが新たなタンパク源として注目を集めています。

日本の漁業が直面する“逆輸入”現象

実は、日本のタコの多くは輸入品です。
モロッコ、モーリタニア、メキシコなどから輸入されており、日本のスーパーで売られているタコの多くが“海外生まれ”という現実があります。

この構図が厄介なのです。
世界的なタコ人気によって、これらの産地での買い付け競争が激化。ヨーロッパの業者が大量に買い占め、日本が必要な量を確保できないという事態が起きています。

例えば、かつて1kgあたり1000円台だった輸入タコが、いまや倍以上。
その結果、国内のたこ焼き業者や居酒屋が「仕入れが難しい」「価格を上げざるを得ない」と悲鳴を上げているのです。

マグロを超えるタコの「市場価値」

水産庁が発表する市場価格を見ると、驚くべき現象が起こっています。
冷凍マグロ(加工用)の卸価格を超えるタコが続出。特に高品質のモロッコ産やセネガル産は、キロ単価が4500円を超えることもあります。

マグロが豊漁で価格が下がる一方、タコの資源量は限られており、漁獲規制も強化中。
つまり「獲れない・世界で奪い合い・需要が高い」という三重苦が、価格を押し上げているのです。

マグロと違い、タコは養殖が難しいことも高騰の一因です。
一部ではタコの人工養殖にも成功していますが、商業レベルに達するにはまだコストが高すぎます。
そのため、野生のタコはまさに“金のなる足”と化しているのです。

タコ人気の裏にある“文化革命”

日本では昔から、お祭りや正月、家族の食卓で当たり前に食べられてきたタコ。
それが海外では「異文化食材」とされていました。「脚が気持ち悪い」「グロテスクで食べられない」とまで言われていたのです。

しかし今、価値観が大きく変わっています。
ヘルシー志向、和食ブーム、そして海外シェフたちの冒険心。
これらが交わることで、タコは「珍しいけれど上品」「旨味が深く、調理の幅が広い」と評価されるようになりました。

実際、スペインの「ガリシア風タコ」やギリシャの「タコの炭火焼き」は観光客にも人気。
そこに日本の“たこ焼きカルチャー”が加わり、今や世界中で「タコを食べてみたい!」という人が増えているのです。

世界がタコを求め、日本が困る時代

海外の高級レストランでは、タコが「新たなロブスター」と呼ばれることもあります。
つまり、食通が競って注文する高級海鮮。
この現象は、日本にとっては痛し痒しです。

日本の食卓では、タコは身近で親しみやすい存在でした。
しかし、輸入価格が上がれば、スーパーの値札も上がる。
将来的には「庶民の味」から「高級志向の惣菜」に変わる可能性さえあります。

さらに問題なのは、飲食店チェーンの原価圧迫。
たこ焼きや寿司チェーンでは、原材料費の高騰がメニュー価格や内容量の縮小に影響しています。
実際、一部では「タコ入りの割合を減らす」「別食材で代替する」といった対応も増えています。

タコ資源の未来は?

気になるのは、今後の漁獲と価格の行方。
世界的な乱獲防止の動きが進む中、タコの持続可能な漁法が求められています。
モロッコやマウリタニアでは既に禁漁期間を設け、資源の回復を目指しています。

一方、日本各地の漁業でも、地だこ漁の振興に力を入れ始めています。
明石だこ、志津川だこ、北海だこなど、地域ブランドを強化し「国産の価値」で勝負しようという動きも見られます。

消費者としても、ただ「高い」と嘆くだけではなく、
“どこで、どう獲られたタコなのか”を意識して選ぶ時代になっているのかもしれません。

それでもタコは、やっぱりうまい

タコの価値がどれほど上がろうと、その味の魅力は揺るぎません。
弾力のある歯ごたえ、噛むほどあふれる旨味、そしてどんな料理にも合う万能ぶり。

お寿司に、たこ焼きに、酢の物に。
タコはいつだって日本人の食卓を楽しくしてきました。
世界がその魅力に気づいた今こそ、改めて日本のタコ文化を大切にしたいものです。

まとめ:「世界がうらやむ、海の知恵」

タコがマグロより高くなった背景には、単なる価格変動ではなく、食文化のグローバル化が隠れています。
和食人気と健康志向が後押しし、日本の“日常の味”が世界の“憧れの味”へと変化した瞬間でもあります。

これからタコは、ますます貴重な存在になるでしょう。
でも、その分だけ、食材としての尊さや文化的価値も見直されていくはずです。
「タコが世界にバレた」と笑う時代から、「タコを守り伝える」時代へ——。
日本人の食卓に、新しい責任とプライドが求められています。

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