
「パソコンを買ったらセキュリティソフトを入れるべきです」なんて話、あなたも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。昔は家庭用PCを買うと同時に、ノートンやウイルスバスターなどのセキュリティソフトを入れるのが“常識”でした。ところが近年は、Windowsに標準で搭載されている「Windowsセキュリティ」(旧:Windows Defender)が進化したことで、「もう有料ソフトはいらないのでは?」という声も増えてきています。
でも実際のところ、本当に標準機能だけで十分なのでしょうか?それとも、やはり有料ソフトを導入したほうが安全なのでしょうか?今日は、この疑問を最新のネット事情やサイバー攻撃の傾向とともに、わかりやすく解説していきます。
Windows標準「Windowsセキュリティ」の実力は本物?
まず知っておきたいのは、現在のWindowsに搭載されている「Windowsセキュリティ」が昔と比べて段違いに強化されているいう点です。10年前のDefenderは「最低限の検知しかできない」と揶揄されていましたが、2025年現在では、独立機関のセキュリティベンチマークでも上位にランクインするほどの実力を誇っています。
具体的にできることを挙げると以下の通りです。
- ウイルス、マルウェアのリアルタイム検知
- ランサムウェア防御機能
- 悪意あるサイトのブロック機能(Microsoft Edge使用時)
- 定期的なフルスキャン機能
- Windows Updateと連動した自動アップデート
つまり、基本的な「ウイルス対策」という意味では、わざわざ有料ソフトを入れずとも十分に使えるレベルに達しています。
ではなぜ有料セキュリティソフトが存在するのか?
ここで疑問が浮かびますよね。「標準機能で十分なら、有料ソフトなんてもういらないのでは?」と。確かにWindowsだけを使い、ブラウザもEdgeやChromeを使い、怪しいサイトを訪れない人なら、標準機能である程度カバーできます。
ただ、有料ソフトにはやはり「有料である理由」があります。それが以下の点です。
- フィッシング詐欺メールの識別強化(標準機能では検知が弱いケースあり)
- バンキング保護(銀行サイトやオンライン決済時に専用ブラウザで保護)
- Wi-Fi監視機能(公共Wi-Fi接続時に危険を警告)
- 家族の複数デバイスをまとめて管理できる(子供のスマホも含めて保護可能)
つまり、有料ソフトは「便利さ」と「安心領域の広さ」に投資する価値があるということなんです。
ネット環境の変化と新たな脅威
昔は「ウイルスに感染したらパソコンが動かなくなる」というのが代表的な脅威でした。しかし2025年の今、ネットの脅威はもっと巧妙になっています。
- SNS経由での詐欺リンク
- AIを悪用した巧妙なフィッシングメール
- ランサムウェア(データを人質に金銭要求)
- オンライン決済を狙う金融系マルウェア
特に問題なのは「ユーザーの心を騙す」タイプの攻撃が増えていることです。つまり、パソコンが自動で防げないケースが多いのです。ここに有料ソフトのアドバンテージがあります。
無料と有料、結局どっちを選ぶべき?
ここまで読んで「じゃあ自分はどっちを選んだらいいの?」と思った方のために、シンプルに整理してみます。
- 標準機能(Windowsセキュリティ)で十分な人
- ネットは調べ物やニュース閲覧が中心
- 怪しいアプリやファイルをダウンロードしない
- 自分である程度セキュリティ意識を持っている
- 有料ソフトを検討すべき人
- ネットショッピングやオンラインバンキングを頻繁に使う
- 子供や高齢者も同じPCやスマホを使う
- 公共Wi-Fiをよく利用する
- 常に「自分は大丈夫」と思うタイプ(意外と狙われやすい)
まとめ:必要かどうかは人次第
結論を言うと、「セキュリティソフトが絶対に必要」という時代ではなくなってきました。Windowsの標準機能が進化したことで、基本的なウイルス対策なら誰でも使えるレベルになっています。
ただし、ネット環境は年々巧妙になり、標準では防ぎきれないリスクも確実に存在します。あなたが「どれくらいネットを使うか」「どのくらい便利を求めるか」で選び方は変わってくるでしょう。
安心を買ってストレスなく使いたいなら有料ソフト。コストを抑えて自分で気をつけるなら標準機能。結局は、自分の使い方次第で賢く選択するのがベストです。
主なセキュリティソフト比較表(2025年時点)
項目 | Windowsセキュリティ(標準) | ノートン360 | ウイルスバスター クラウド | マカフィー トータルプロテクション |
---|---|---|---|---|
料金 | 無料 | 年間約5,000〜7,000円 | 年間約5,500〜6,500円 | 年間約5,000〜6,500円 |
基本ウイルス対策 | ◎ 高性能化 | ◎ 業界最高水準 | ◎ 安定した検知力 | ◎ AI検知で進化 |
フィッシング詐欺対策 | △ Edge/Chrome依存 | ◎ 独自の対策機能 | ◎ メール・サイト両対応 | ◎ 強力だが設定やや複雑 |
バンキング保護 | ✕ なし | ◎ 専用ブラウザあり | △ 一部補助機能 | ○ 保護機能あり |
公共Wi-Fi保護 | ✕ なし | ◎ VPN機能あり | ○ Wi-Fiリスク警告 | ◎ VPN・暗号化付き |
家族複数端末対応 | △ Microsoftアカウントで限定的 | ◎ PC・スマホ無制限プランあり | ○ 3〜5台まで対応 | ◎ 家族向け複数台対応 |
操作のわかりやすさ | ○ シンプル | ○ わかりやすいUI | ◎ 初心者向き | ○ 詳細設定が多め |
総合評価 | 「基本は十分」 | 「幅広く安心」 | 「初心者や家族に安心」 | 「バランス型」 |
比較表からわかるポイント
表を見ていただくと一目瞭然ですが、Windows標準だけでも「基本的なウイルス対策」は十分です。
ところが「安心の幅」を広げようとすると、有料ソフトが圧倒的に有利になります。特にネットショッピングやオンラインバンキングを日常的に使う方、家族でデバイスを複数利用している方には、有料ソフトの方が向いています。
反対に、「自宅のPCで調べ物中心」「追加コストをかけたくない」というなら、標準セキュリティで十分でしょう。
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