知らなきゃ危険!狂犬病の恐ろしさと日本でのリスク、感染経路・症状・予防まで徹底解説

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豆知識
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狂犬病とは?

higejii(ひげ爺)
higejii(ひげ爺)

「狂犬病」という名前を聞くと、犬だけの病気のように感じるかもしれません。
でも実は、これは“人にも感染する最も危険なウイルス感染症のひとつ”です。
狂犬病ウイルスは、犬や猫、コウモリ、アライグマなどの哺乳類の唾液に潜み、噛まれたり舐められただけでも感染することがあります。

ウイルスは神経を伝って脳へ侵入し、脳炎を起こします。
いったん発症すると、現代医学をもってしてもほぼ助かることはありません。
世界保健機関(WHO)によると、狂犬病の致死率はほぼ100%。
これは、現代医学の中でも最も恐れられる数字のひとつなのです。

狂犬病が「ほぼ100%致死」と言われる理由

狂犬病ウイルスは脳や神経に感染し、人間の体を内側から麻痺させていきます。
初期症状は単なる風邪のようにも見え、発熱や倦怠感、頭痛など軽いものです。
しかし、この「潜伏期間」が終わり神経にウイルスが達すると、症状は急変します。

・恐水症(水を見ると激しいけいれんを起こす)
・幻覚や錯乱
・呼吸困難、けいれん
・昏睡状態

やがて、呼吸麻痺によって命を落とします。
治療法が確立されていない理由は、ウイルスが神経に入り込むと免疫が届かないため。
つまり、「発症後に打つワクチン」ではもう間に合わないということです。

日本では狂犬病がなくなったって本当?

確かに日本では、1950年代以降「狂犬病の発生ゼロ」が続いています。
そのため、「日本では心配ない」「もう絶滅した」と思われがちです。
しかし、これは非常に危険な油断です。

なぜなら、狂犬病は“海外から持ち込まれる可能性”が常にあるからです。
動物の違法輸入や、海外で噛まれ帰国後に発症するケースなどが起きれば、日本でも再流行するリスクが存在します。

実際、2006年にはフィリピンで犬に噛まれた日本人が帰国後に狂犬病を発症して死亡しています。

つまり「日本では安全だから大丈夫」ではなく、「海外に行く・動物を扱う」場合は油断できない病気なのです。

海外での感染事例と実際の怖さ

毎年、世界ではおよそ5万人以上が狂犬病で死亡しています。
特に発展途上国では、犬のワクチン接種率が低く、子どもが噛まれて命を落とすケースが多発しています。

観光客が被害に遭う国としては、東南アジア・南アジア・アフリカが多く、タイ・フィリピン・バリ島・インド・ネパールなどが要注意地域です。

「現地の犬は人懐っこいから大丈夫」と油断して近づく日本人が少なくありません。
しかし一見おとなしい犬でも、ウイルスを持っている可能性があります。
狂犬病ウイルスに感染した動物は、行動が不自然になり、攻撃的になるケースがほとんどです。

感染経路と犬以外からの感染例

感染源は犬だけではありません。
猫、コウモリ、キツネ、アライグマ、スカンクなど、様々な哺乳類がウイルスを保有している可能性があります。

感染経路として多いのは次の3つです。

  1. 噛まれる(最も多い経路)
  2. 傷口を舐められる
  3. 動物の体液が目・口などの粘膜に付着

感染の瞬間は痛みも小さく、気づかないまま放置してしまうケースが危険です。

狂犬病の症状の進行をリアルに解説

人体に入った狂犬病ウイルスは、しばらく潜伏期間(1〜3か月)を経て、徐々に神経を伝って脳に達します。

この過程で見られる段階ごとの特徴は以下の通りです。

段階主な症状期間
潜伏期発熱・倦怠感・咬傷部の違和感約1〜3か月
前駆期不安・不眠・軽いけいれん数日間
急性神経症期恐水症・幻覚・激しいけいれん約1週間
昏睡期意識喪失・呼吸麻痺・死に至る数日以内

発症すれば、死亡まで数日しかありません。
つまり、「どれほど早くワクチンを打つか」が唯一の生死を分けるポイントです。

狂犬病のワクチン接種と予防の重要性

予防法として最も効果的なのが「ワクチン接種」です。
狂犬病ワクチンには2種類あります。

・ 事前接種(曝露前ワクチン):海外渡航者・獣医師などリスクの高い人向け
・ 曝露後接種(感染疑い後ワクチン):噛まれた直後に接種

海外では、噛まれても48時間以内にワクチンを打てば感染を防げるケースが大半です。
しかし、現地によってはワクチンが入手困難な地域もあり、事前に日本で接種しておくのが安全です。

海外旅行で絶対に注意すべきポイント

  1. 野良犬や猫には絶対に近づかない。
  2. 動物をからかったり、餌をあげたりしない。
  3. コウモリのいる洞窟などは観光中も立ち入らない。
  4. 噛まれた・引っかかれたら、まずは「石けんと流水で15分洗浄」。
  5. すぐに現地病院でワクチンを打つ。

旅行中の「たかが小さな傷」が、後で命を奪うことがあります。
それほど、狂犬病は油断できない病気なのです。

万が一、動物に噛まれたときの対処法

もし噛まれてしまった場合は、次の手順をすぐに実行しましょう。

  1. 傷口を石けんと流水で15分以上しっかり洗浄する。
  2. アルコールやヨードなどの消毒液で消毒。
  3. すぐに病院へ行き、「狂犬病の可能性がある」と伝える。
  4. 狂犬病ワクチンの接種スケジュールを守る。

この対応を「数時間以内」に行えるかどうかで救命率が大きく変わります。

最後に:軽視せず、正しく恐れることが命を救う

狂犬病は、発症してからでは間に合わない病気です。
ですが、正しい知識と早めのワクチン接種で防ぐことができます。

もしこの記事を読んで、「自分には関係ない」と思っていた方がいれば、今日から意識を少し変えてみてください。
旅行先の小さな警戒心が、命を救うことにつながります。

安心して世界を旅するために、「狂犬病は昔の病気」ではなく「今も存在する脅威」だということを、多くの人に知ってもらうことが大切です。

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