
こんにちは。みなさんは「認知症予防」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?運動や脳トレ、バランスの良い食事、十分な睡眠など、さまざまな方法が話題になっていますよね。でも、日々の生活に取り入れやすく、しかも“美味しい”方法があったらどうでしょうか?
今回は、世界で初めてヒトを対象にした試験で「カマンベールチーズ」の摂取が認知症予防に有効である可能性が示されたという、注目の研究について、わかりやすくご紹介します。チーズ好きの方も、そうでない方も、ぜひ最後まで読んでみてください。
認知症予防の新しい可能性――カマンベールチーズに注目!
認知症は高齢化社会の日本において、誰もが関心を持つテーマです。2025年には認知症患者が約700万人に達すると言われており、予防や進行抑制の方法が求められています。
そんな中、桜美林大学、東京都健康長寿医療センター、そして株式会社明治の共同研究グループが、カマンベールチーズの摂取が認知症予防に有効である可能性を、世界で初めてヒト試験で確認しました。
世界初のヒト試験で何がわかったの?
この研究は、東京都に住む70歳以上の高齢女性689人のうち、軽度認知障害(MCI)と判断された71人を対象に行われました。対象者を2つのグループに分け、片方には市販のカマンベールチーズを1日2ピース、もう片方にはプロセスチーズを同量、3ヶ月間摂取してもらい、血中のBDNF(脳由来神経栄養因子)濃度の変化を調べました。
BDNFは脳の神経細胞の成長や維持に重要な役割を果たす物質で、認知機能との関連が報告されています。このBDNFが、カマンベールチーズ摂取時にはプロセスチーズ摂取時と比べて有意に上昇したのです。
さらに、3ヶ月後にグループを入れ替えて同じ試験を実施したところ、やはりカマンベールチーズ摂取時にBDNFが上昇することが確認されました。
なぜカマンベールチーズが効くの?
カマンベールチーズが認知症予防に有効と考えられる理由は、その製造過程にあります。カマンベールチーズは白カビで発酵させて作られるのですが、この過程で「オレアミド」や「デヒドロエルゴステロール」といった成分が生まれます。
- オレアミド:神経の炎症を制御する因子で、カマンベールチーズにはプロセスチーズの10倍以上含まれていました。
- デヒドロエルゴステロール:抗炎症作用を持つ成分です。
これらの成分が脳内の免疫細胞「ミクログリア」の働きを調整し、神経の炎症を改善することで、認知機能の維持や向上に寄与していると考えられています。
チーズと認知機能――他にもある嬉しい効果
カマンベールチーズだけでなく、日常的なチーズの摂取が認知機能の高さと関連することも、複数の研究で明らかになっています。たとえば、週に1回以上チーズを食べる人は、チーズを食べない人と比べて歩行速度が速く、歯の本数が多く、善玉コレステロール(HDL)が高い傾向があるという報告もあります。
また、チーズ摂取者は認知機能を評価するMMSE(ミニメンタルステート検査)のスコアも高いことが示されています。これは、チーズが単なる嗜好品ではなく、健康維持や認知症予防に役立つ“機能性食品”であることを示唆しています。
チーズ以外にも!認知症予防に役立つ食生活
もちろん、チーズだけを食べていればいいというわけではありません。認知症予防には、バランスの良い食事や適度な運動、十分な睡眠、ストレス管理など、日々の生活習慣の見直しが大切です。
食事面では、カマンベールチーズのほかにも、コーヒー、カレー、緑黄色野菜、青魚などが認知機能維持に有効とされています。
どうやって取り入れる?カマンベールチーズのおすすめの食べ方
カマンベールチーズは、そのまま食べても美味しいですし、サラダやサンドイッチ、グラタンなど、さまざまな料理にアレンジできます。1日2ピース(約40g程度)を目安に、無理なく続けられる範囲で取り入れてみてはいかがでしょうか。
ただし、チーズは塩分や脂肪分も含まれているため、食べ過ぎには注意しましょう。バランスの良い食事の一部として、楽しみながら続けることが大切です。
研究者も期待!今後の展望
今回の研究は、食品によるBDNF濃度の上昇がヒトを対象とした試験で報告された初の例であり、今後の食品と認知機能の関連を解明する研究の活性化が期待されています。
認知症予防は、まだ確立された方法がない分野ですが、日々の生活習慣の積み重ねが大きな鍵を握っています。カマンベールチーズのような身近な食品が、私たちの脳の健康を守る一助となるかもしれません。
まとめ――「美味しく、楽しく」認知症予防を始めよう
いかがでしたか?カマンベールチーズが認知症予防に役立つ可能性が、世界初のヒト試験で示されたというニュースは、多くの方にとって朗報だと思います。日々の食事に、ちょっとした工夫と楽しみをプラスしながら、健康な未来を目指してみませんか?
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