味覚障害で甘味がわからない?原因・治し方・病院へ行く前に知っておきたいこと

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豆知識
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味覚障害で甘味がわからない…その違和感、放っていませんか?

higejii(ひげ爺)
higejii(ひげ爺)

ある日突然、いつも飲んでいるコーヒーに砂糖を入れても「甘くない」と感じたことはありませんか?
家族が「ちゃんと甘いよ」と言っても、自分の舌にはただの苦味や渋みしか残らない。そんなとき、多くの人が最初に思うのは「疲れてるのかな?」ということかもしれません。

しかし、もし数日経っても甘味が戻らないとしたら、それは味覚障害(みかくしょうがい)のサインかもしれません。

味覚障害とはどんな病気?

味覚障害とは、食べ物の「甘い・酸っぱい・しょっぱい・苦い・うま味」などの基本的な味を正しく感じ取れなくなる状態を指します。

大きく分けると次の3タイプに分類されます。

  1. 味を全く感じなくなる「無味覚」タイプ
  2. 特定の味だけ感じない「選択的味覚障害」タイプ
  3. 味を間違って感じる「異味症」タイプ

今回のテーマである「甘味がわからない」は、2番目の「選択的味覚障害」に該当します。

なぜ甘味だけ感じなくなるのか?主な原因

味覚障害の背景には、さまざまな生活習慣や疾患が関係しています。甘味が感じられなくなる原因を、代表例としていくつか紹介します。

亜鉛不足

味覚障害の原因として最も知られているのが亜鉛不足です。
亜鉛は味蕾(みらい)という「味を感じる器官」の再生に欠かせないミネラル。
しかしインスタント食品や加工食品の多い食生活を続けることで、亜鉛が慢性的に不足しやすくなります。

特に次のような食生活をしている方は要注意です。

  • コンビニ食やカップ麺が多い
  • お酒をよく飲む(アルコールは亜鉛の吸収を妨げる)
  • ストレスや睡眠不足が続いている
  • ダイエットで肉や魚を避けがち

服薬の影響

血圧の薬、抗うつ薬、抗生物質などには「味覚異常」の副作用を持つものがあります。
特にACE阻害薬(高血圧治療薬)などは、医学的にも味覚障害との関連が指摘されています。

加齢による味覚低下

加齢とともに味蕾の数は減少し、再生力も低下します。
特にシニア世代では、「味がしない」よりも「薄い」と感じるケースが多く、塩分の取りすぎにつながることも。

コロナ後遺症

新型コロナ感染後、「甘味が感じにくい」「苦味しか感じない」といった味覚異常が残ることがあります。嗅覚障害と併発することが多く、数週間から数か月続くケースも珍しくありません。

精神的ストレス

実は、強いストレスも一時的な味覚障害を引き起こすことがあります。自律神経が乱れることで、舌の神経伝達が鈍くなり、特定の味が感じづらくなるのです。

味覚障害を放置するとどうなる?

「そのうち治るだろう」と放っておくのは危険です。
甘味を感じないままだと、甘味を求めて砂糖やお菓子を多く摂取してしまい、肥満・糖尿病の悪化につながることもあります。

また、味覚の低下は「食欲不振」や「栄養不足」も招きやすく、結果的に体調全体が悪化します。

改善の第一歩:食生活を見直してみよう

味覚障害を改善するには、まず栄養バランスの整った食事が基本です。特に重要なのは亜鉛の補給です。

亜鉛を多く含む食材

  • 牡蠣(かき)
  • 牛肉(赤身)
  • 豆腐・納豆などの大豆製品
  • ナッツ類(アーモンド・カシューナッツ)
  • ごま

亜鉛はビタミンCやたんぱく質と一緒に摂ると吸収率が上がります。例えば「牛肉のレモンステーキ」や「納豆+卵+ごま」といった組み合わせもおすすめです。

サプリメントでの補助も有効

食事だけで十分な量を補えない場合は、亜鉛サプリを活用するのもひとつの手です。
ただし、飲みすぎには注意。成人の場合、1日の上限摂取量はおおよそ40mg前後とされています。過剰摂取は銅の吸収を妨げたり、吐き気を引き起こす可能性があります。

サプリを選ぶ際は、

  • 「グルコン酸亜鉛」「酵母亜鉛」など吸収率の良いタイプを選ぶ
  • ビタミンB群やCが同時配合のものを選ぶ
    といった点を意識しましょう。

医療機関で検査・治療を受けるべきケース

次のような症状がある場合は、自己判断せず耳鼻咽喉科(または味覚外来)を受診してください。

  • 1週間以上、味が戻らない
  • 味だけでなくニオイも感じない
  • 舌に痛みやしびれがある
  • 特定の薬を服用した後から味が変わった

医師は「味覚検査」や「血液検査」を行い、原因を特定します。
亜鉛不足が疑われる場合は「亜鉛補充療法」が行われることが多く、数週間から数か月で改善するケースがほとんどです。

味覚を取り戻すためにできる生活習慣

  1. 規則正しい食事・睡眠をとる
     身体の代謝を保つことで、味蕾の再生が促されます。
  2. 舌の清潔を保つ
     舌苔(ぜったい:白い汚れ)が多いと、味を感じる細胞を覆ってしまいます。やさしくブラッシングしましょう。
  3. ストレスをためない
     ストレスは味覚神経の働きを鈍らせます。深呼吸や軽い運動も有効です。
  4. 禁煙・節酒
     たばこやアルコールは味覚細胞を傷つけ、再生能力を下げます。
  5. 水分をしっかり摂る
     口の中が乾燥していると、味物質が舌に届きにくくなります。特に冬場は加湿を意識しましょう。

コロナ後遺症による味覚の違和感が続く場合

コロナ感染後の味覚・嗅覚異常は、神経の炎症によるものと考えられています。
自然回復する例も多いですが、数か月以上続く場合は嗅覚リハビリ法ビタミンB群の補充が有効とされています。

甘味を感じる「幸せ」を取り戻すために

味覚は私たちが「食べる喜び」を感じる最も身近な感覚です。
甘いものが甘く感じられる——たったそれだけのことが、実は心と体の健康のバロメーターでもあります。

もし今、あなたが「甘味がわからない」と感じたら、それは体からのSOS。
無理に我慢せず、食生活を見直し、必要なら医師に相談してみましょう。きっと少しずつ、舌も心も取り戻せるはずです。

まとめ:味覚障害の早期対処が未来を変える

  • 甘味がわからないのは「選択的味覚障害」の一種
  • 原因の多くは亜鉛不足・薬・ストレス・感染症後遺症など
  • 食事改善とサプリで回復するケースも多数
  • 長引く場合は早めの受診が大切

味覚が戻るその日、きっと今まで以上に食事のありがたさを感じるはずです。
「もう一度、甘いと感じたい」と思ったその瞬間から、回復は始まっています

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