飲食店に何が起こっている!高級中華店「聘珍楼(へいちんろう)」倒産にみる老舗店が潰れる理由

トレンド
higejii(ひげ爺)
higejii(ひげ爺)

みなさん、こんにちは。今日は、多くの方に衝撃を与えたニュースについて一緒に考えてみたいと思います。
それは、横浜中華街の名門、高級中華料理店「聘珍楼(へいちんろう)」の倒産です。
「えっ、あの聘珍楼が?」と驚かれた方も多いのではないでしょうか。
創業140年、日本最古の中華料理店として知られた老舗が、なぜこのタイミングで破産に追い込まれたのか――。
今回は、その背景にある飲食業界の現状や、老舗店が抱える課題について、わかりやすく、そして皆さんと同じ目線で語りかけていきます。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

聘珍楼とはどんなお店だったのか?

聘珍楼は、1884年(明治17年)創業。横浜中華街を代表する老舗中の老舗で、全国にも店舗を展開していました。
テレビ番組「料理の鉄人」などで有名な周富徳さんが総料理長を務めていたこともあり、その名を知る方も多いでしょう。
「高級中華」として、接待やお祝い、家族の記念日など、特別な日に訪れる人も多く、まさに“ハレの日”の象徴的存在でした。


なぜ聘珍楼は倒産したのか?

コロナ禍による客足の激減

2020年以降の新型コロナウイルス感染拡大は、飲食業界全体に大きなダメージを与えました。
聘珍楼も例外ではなく、観光客や宴会利用が激減。
時短営業や外出自粛の影響で、売上は急降下。
2020年から5期連続で赤字となり、債務超過に陥ってしまいました。

コロナ融資の返済開始

コロナ禍で多くの飲食店が政府や自治体からの融資を受けてなんとか営業を続けてきましたが、2023年からその返済が本格化。
聘珍楼も資金繰りが一気に厳しくなり、経営が立ち行かなくなったのです。

物価高・人件費高騰

近年、原材料費や光熱費、人件費の高騰が続いています。
高級店である聘珍楼は、品質を落とせない分、コスト上昇の影響をもろに受けました。
値上げをすれば客離れにつながり、値上げしなければ利益が出ない――。
このジレンマが経営を圧迫しました。

ライフスタイルの変化と競争激化

コロナ禍をきっかけに、外食の機会そのものが減少。
また、横浜中華街では「食べ放題」や「オーダーバイキング」形式の店が急増し、手軽さやコスパを求めるお客様が増えました。
一方、聘珍楼は伝統的なコース料理やアラカルトにこだわり、時代の変化に柔軟に対応できなかった面も否めません。

人材確保の困難

飲食業界全体で人手不足が深刻化しています。
特に老舗高級店は、サービスや調理の質を維持するために熟練スタッフが不可欠ですが、若い世代の飲食離れもあり、人材確保が難しくなっていました。

老舗店ならではの“構造的な問題”とは?

「聘珍楼ほどのブランド力があれば、多少の苦境でも乗り越えられるのでは?」
そう思う方もいるかもしれません。
しかし、老舗店には老舗ならではの“構造疲弊”という問題があります。

  • 長年の営業で店舗や設備が老朽化し、維持コストが高い
  • 伝統や格式を守るため、業態変更や値下げなど大胆な改革が難しい
  • ブランドイメージを守るがゆえに、時代のニーズに柔軟に対応しきれない

聘珍楼も、食べ放題やカジュアル化が進む中華街の流れに乗れず、従来のスタイルを守り続けてきました。
それが逆に、競争力の低下につながってしまったのです。


飲食店全体に広がる“倒産ドミノ”の現実

実は、2024年の飲食店倒産件数はリーマンショック後で最多を記録しました。
聘珍楼のような有名店だけでなく、中小の飲食店も次々と姿を消しています。

飲食店が廃業する主な理由

  • 運転資金の枯渇
  • 新規顧客の獲得失敗
  • 人手不足
  • 競争激化による売上減少
  • 経営者の高齢化や健康問題

これらは、聘珍楼のケースとも重なります。

予約客や関係者にも大きな影響

今回の聘珍楼の破産では、約1,000組もの予約客が影響を受けました。
前払いをしていたお客様も多く、突然の閉店に戸惑いの声が広がっています。
「楽しみにしていたのに…」「返金はどうなるの?」といった問い合わせが殺到し、混乱はしばらく続きそうです。

聘珍楼のブランドはどうなる?

聘珍楼の商標権はすでに海外企業が保有しているとの情報もあり、今後「聘珍楼」ブランドがどのような形で残るのか、注目されています。
かつての“名門”が消えていく――。
これは単なる一店舗の問題ではなく、日本の飲食文化そのものが大きな転換点を迎えている証拠かもしれません。

今後の飲食店はどう生き残るべきか?

老舗であっても、現代の飲食業界は“変化への対応力”が求められています。
時代の流れを読み、顧客ニーズを柔軟に取り入れること。
デジタル化やデリバリー、テイクアウトの強化、SNSを活用した新しい集客――。

もちろん、伝統や格式を守ることも大切ですが、それだけでは生き残れない時代になりました。

まとめ:老舗の倒産は他人事ではない

聘珍楼の倒産は、多くの人に「飲食店の未来」について考えるきっかけを与えました。
「老舗だから大丈夫」「有名店だから安泰」――そんな神話は、もはや通用しません。

飲食業界は今、かつてないほどの変革期にあります。
消費者として私たちも、応援したいお店には積極的に足を運ぶ、テイクアウトを利用するなど、できることから支えていきたいですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
皆さんは、今回の聘珍楼倒産についてどう感じましたか?

コメント