「廃業件数最多は歯医者さん|2024年過去最多の背景と今後の歯科医療を解説」

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higejii(ひげ爺)
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あなたは最近、街の歯医者さんが閉まっているのを見かけたことはありませんか?
実は今、歯科医院の廃業や倒産が急増し、過去最多のペースで「街の歯医者さん」が消えつつあります。
この現象、ただの偶然や一時的なものではなく、日本の医療業界全体に大きな影響を与えているのです。

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歯医者さんの廃業・倒産、過去最多の衝撃

2024年、歯科医院(歯医者)の倒産・廃業件数は過去最多を記録しました。
帝国データバンクの調査によると、2024年に発生した歯科医院の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は前年比倍増の25件、休業・廃業・解散は101件発生し、10月までに計126件が市場から退出しています。
これは前年比1.8倍という記録的なハイペースで、今後もさらに増加する見通しです。

この数字は、病院や診療所と比較しても歯科医院の廃業・倒産が突出して多いことを示しています。
医療機関全体の倒産・廃業・解散件数は2024年で786件、そのうち歯科医院は118件に上り、診療所とともに過去最多を更新しました。

なぜ歯医者さんの廃業が増えているのか?

では、なぜ歯医者さんの廃業がこんなにも増えているのでしょうか?
その背景にはいくつかの大きな要因があります。

歯科院長の高齢化と後継者不足

歯科医院の代表者の平均年齢は60歳を超え、2024年に「休廃業・解散」となった歯科医院の代表者年齢は69.3歳と、70歳に迫る勢いです。最高齢は90歳超と、これまでにない高齢化が進んでいます。

他の医療機関と比べても、歯科医院は小規模で後継者がいないケースが多く、経営者の引退とともに廃業するケースが目立ちます。
「自分の子どもが歯科医師になってくれるわけでもないし、誰かに事業を引き継ぐのも難しい」と悩む院長先生が増えているのです。

設備投資の負担

新型コロナウイルスの影響で、歯科医院は感染対策や患者の安全確保のために新たな設備投資を迫られました。
特に待合室の広さや換気設備、治療器具の衛生管理など、コストがかかる設備投資が必要となっています。

また、2024年からはマイナ保険証への対応や電子化も求められ、さらに設備投資が増加。
高齢の歯科医師にとっては、こうした投資が重荷となり、廃業を選択するケースも増えています。

慢性的な人手不足

歯科衛生士や歯科助手など、歯科医院を支えるスタッフの慢性的な人手不足も大きな問題です。
特に地方では人材が集まりにくく、スタッフの確保が難しい状況が続いています。

供給過剰と競争激化

「コンビニよりも多い」と言われるほど、歯科医院の数は日本中に存在します。
厚生労働省によると、2019年時点で全国に6万8,500カ所の歯科診療所があり、コンビニエンスストアの5万5,641店を上回っています。

そのため、患者の奪い合いが激化し、経営が苦しくなる歯科医院が増えています。
特に虫歯治療などの保険診療に頼りがちな医院は、収益が伸び悩みやすい傾向があります。

物価高騰とコスト増

虫歯治療で使う銀などの合金や、医療機器、人件費など、あらゆるコストが上昇しています。
コロナ禍以降、物価高騰が続き、歯科医院の経営をさらに圧迫しています。

歯科医院の廃業・倒産が増えると、私たちにどんな影響がある?

歯科医院の廃業や倒産が増えると、地域医療の空洞化が進み、歯科治療を受けられる場所が減ってしまいます。
特に高齢者や子育て世代にとっては、通いやすい歯医者さんがなくなるのは大きな問題です。

また、残された歯科医院は患者が集中し、待ち時間が長くなったり、診療内容が制限されたりする可能性もあります。
さらに、新しい設備や技術を取り入れる若い歯科医師と、高齢を理由に廃業する歯科医師の二極化が進み、地域によっては歯科医療の質に差が生じることも懸念されます。

歯科医院を選ぶ際のポイント

これから歯科医院を選ぶ際は、以下のポイントを意識してみてください。

  • 後継者がいるかどうか
    長く通いたい場合は、若い歯科医師やスタッフが多く、後継者がいる医院を選ぶと安心です。
  • 設備や衛生管理がしっかりしているか
    感染対策や電子化など、新しい設備を導入している医院は安心できます。
  • 自由診療や審美治療にも対応しているか
    虫歯治療だけでなく、ホワイトニングや矯正など、多様な治療に対応している医院は経営が安定しやすい傾向があります。
  • スタッフの対応や雰囲気
    スタッフの対応が丁寧で、通いやすい雰囲気の医院は長く通い続けやすいです。

今後の歯科医療はどうなる?

今後も歯科医院の廃業・倒産は増加する見通しです。
2026年には、倒産・休廃業・解散件数が1000件に達する可能性も指摘されています。

一方で、若い歯科医師による新しい経営スタイルや、審美治療やインプラントなど高付加価値の治療を強化する医院も増えています。
患者のニーズに合わせて、より多様なサービスを提供する歯科医院が生き残っていくでしょう。

まとめ:歯医者さんの廃業は私たちの問題でもある

歯医者さんの廃業や倒産が増えている背景には、高齢化・後継者不足・設備投資・人手不足・競争激化・物価高騰など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。
これは単なる業界の問題ではなく、私たちの健康や生活にも直結する大きな課題です。

今後も「街の歯医者さん」が減り続ける可能性がある中で、歯科医院を選ぶ際は「長く通えるか」「安心して治療を受けられるか」をじっくり考えてみてください。

最後に:歯医者さんを応援しよう

もしあなたが通っている歯科医院が、スタッフの対応や設備に満足しているなら、ぜひ口コミや紹介で応援してください。
歯科医院の廃業が増えることで、私たちの選択肢が減ってしまう前に、地域の歯医者さんを支えることが大切です。

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