
こんにちは。みなさんの持ち物にも、気づかぬうちに「紛失防止タグ」が取り付けられていませんか?便利なアイテムがいつの間にか――思わぬリスクを呼び寄せてしまう…。この複雑な現代に、最新ガジェットの“裏側”も知っておいてほしいのです。
紛失防止タグとは? 正しい使い道と普及背景
まず、AirTagやTileなどの「紛失防止タグ」は、持ち物やペット、子どもなどの見守りのために開発された便利なIoTデバイスです。スマホアプリからBluetoothやネットワークを使い、手軽にモノの位置を確認できるのが大きな特徴です。鍵や財布、バッグに着ければ「物忘れ対策」や「防犯」に役立つため、多くの方が重宝しています。
近年の”悪用”事案が急増中
しかし、近年はこのタグがストーカー被害や盗難の“道具”として悪用されるケースが激増しています。2021年には全国相談件数は3件だったのが、2024年には370件に急増、2025年はすでに前年を上回って社会問題となっています。
どんな手口で狙われるのか?主な悪用パターン
- 車やバイクの目立たない部分にタグを取り付け、所有者の移動を追跡
- 面会時にタグを隠したぬいぐるみや持ち物を子どもへ手渡し、避難先を特定
- バッグやカバンにタグを忍ばせて通勤・通学ルートを探る
- 盗難目的で高級自転車やスーツケースの移動監視
実際に、車にタグを付けられて追跡・衝突され、拉致被害につながったという怖い事件も報告されています。
法改正による規制強化とその背景
2025年11月には、こうしたストーカー規制法の改正案が閣議決定され、「相手の承諾なく紛失防止タグを取付・情報取得」も規制対象になりました。ただし、従来のGPS監視と違い、「違法と認識しにくい」「位置情報範囲が限定される」など法の抜け穴も残っていました。
被害の兆候は?こうやって気づく
- 知らないデバイスの通知がスマホに表示される(iPhoneでは「不明なAirTag検出」など)
- 持ち物の中や車内・バッグ・ポケットに“見覚えのない機器”がある
- 誰かに移動ルートや自宅位置を把握されている可能性があると感じた場合
万が一の対策・自己防衛のポイント
- 定期的にカバン・車内・自宅を点検(手で触れて確認)
- iPhoneやAndroid用の「紛失防止タグ検出」アプリをインストール/活用
- 通知や警告が出たときは、タグの位置履歴を確かめ、怪しいものは速やかに通報
- 不審物発見時は、無闇に触らず警察やサポートに相談
悪用・追跡被害の具体的な実例
- 離婚調停中の妻子にぬいぐるみを渡し所在特定
- 空港の駐車場で車体底部に磁石付きケースで取り付けられる
- 夜道で家路を見張られる――警察相談後、タグが発覚し事件化
便利さとリスクを両立するために
本来の利便性も大きいタグですが、必ず「正しい使い方」と「定期的な点検」がセットで必要です。万が一不安を感じたら自分だけで抱え込まず、早めの相談・通報をおすすめします。
専門家の見解・今後の課題
セキュリティ専門家は「Tag自体の設計改良」や、「利便性と安全性のバランス調整」が求められると指摘しています。政府やメーカーも新たな通知システムや、悪用されたときの対処策の改善に乗り出しています。


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