
こんにちは。みなさんは小学生時代、夏休みの宿題でアサガオを観察した経験がありますか?
朝に咲いた花を数えたり、色や大きさを絵に残したり。毎日ワクワクしながら日記をつけた人も多いと思います。
ところが最近、この夏休みの定番宿題が「破綻」しているという声があがっています。理由は……地球温暖化。
「え、そんなことで?」と思うかもしれません。
でも実際に、アサガオが想定の時期に咲かない、つぼみが付かない、枯れてしまう――そんな事態が増えているのです。
実際に起こっている困惑
教育現場や保護者からは、こんな声が聞こえてきます。
- 「夏休みに入っても花が咲いてくれず、観察ができなかった」
- 「連日の猛暑で鉢植えが枯れてしまい、子どもが落ち込んでいた」
- 「観察日記が書けず、宿題の意味がなくなってしまった」
つまり、かつては“自然と楽しめる学習”だったものが、今では“気候条件に左右されすぎるリスクの高い課題”になってきているのです。
なぜ地球温暖化がアサガオに影響するのか?

アサガオは本来、夏の花の象徴。でも実はとても繊細な植物です。
アサガオの成長・開花には「日照時間」と「気温」が大きく関わります。
- 適温は20〜30℃前後
- 日照が極端に長すぎたり、夜も暑すぎると花芽がつきにくい
- 高温が続くと水切れ・根のダメージで一気に枯れる
つまり、連日35℃を超える猛暑が当たり前になった現代では、アサガオが「夏らしく花を咲かせる」環境が崩れてしまっているのです。
観察日記が成立しない?
昔のように「夏休み開始=アサガオが満開」というタイミングはもう一般的ではなくなりました。
- 開花が1か月近く遅れる
- 咲いても花数が極端に少ない
- 蕾のまま落ちてしまう
こんな現状では、子どもたちが毎日花をスケッチしたり、数を数えたりすることが難しくなります。つまり「観察日記」としての意味が成り立ちにくくなったのです。
親世代の「夏の思い出」とのギャップ
親世代にとってアサガオは「誰もが経験する夏休みの一コマ」でした。ところが今の子どもたちは、その“当たり前”を体験できなくなりつつあります。
- 親世代「朝起きると毎日咲いていた」
- 今の子ども「咲かないから観察できない」
ここに生まれるギャップは意外と大きく、保護者の「あの頃と同じように」という期待が子どもを余計に困らせてしまうケースもあります。
新しい宿題のあり方を考える時代へ
では一体どうすればいいのでしょうか?
- 植物の種類を見直す
高温や乾燥に強い植物を教材に採用する。例:ヒマワリ、サボテン系、ゴーヤなど。 - 観察対象を多様化する
植物だけでなく昆虫や天気など、「その年の自然」を観察対象にする。 - デジタルと組み合わせる
学校や地域で用意した観察用アサガオの様子を、写真や動画配信する。個別の鉢が枯れても学習が可能となる。 - 地球温暖化そのものを宿題にする
例えば、毎日の最高気温・最低気温を記録する宿題に変え、「自然と気候変動を肌で感じる」学習へシフトする。
宿題を超えて――未来の学び方
子どもたちが直面しているのは決して小さな問題ではありません。アサガオ一つ取っても、地球温暖化の現実が浮き彫りになります。
「昨日との違いを観察する」ことは、植物でも気温でも同じはずです。
むしろ、地球温暖化が加速する現代こそ、子どもたちに本質的な“環境教育”を届ける大きなチャンスかもしれません。
読者のあなたへ
この記事を読んでいるあなたは、もしかしたらお子さんの宿題でアサガオが咲かず困った経験がおありかもしれませんね。
「単に花が咲かない」という事実の裏には、こんなにも大きな気候変動の影響が隠れています。
アサガオ宿題の破綻は、地球温暖化が“子どもたちの学び”にまで入り込んでいる具体的な証拠。
これを機にぜひ「家庭でできる環境教育」について、少し考えてみませんか?
まとめ
- 夏休みの定番「アサガオ観察宿題」が破綻する事例が増えている
- 地球温暖化による猛暑が原因で、開花の遅れや枯死が多発
- 親世代とのギャップが生まれ、教育課題として重要化
- 新しい宿題の形や環境教育の必要性が高まっている
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