
みなさん、最近スーパーで「コメが高い!」と感じたことはありませんか?家計を預かる方なら、5キロで4000円近い値札に驚いたはずです。なぜ日本の主食であるコメの価格がここまで高騰し、なかなか下がらないのでしょうか。その裏には、農水省・JA・天下り・自民党農林族議員という“農政トライアングル”の癒着構造が深く関わっています。今回は、そのからくりを分かりやすく解説しつつ、新農水相・小泉進次郎氏の登場がどんなインパクトをもたらすのか、じっくり語りかけていきます。
コメ価格高騰の現実と「消えたコメ」騒動
2024年夏、スーパーの棚からコメが消え、価格は前年比で約1.9倍に跳ね上がりました。5キロで4000円に迫る勢い。背景には猛暑による不作(40万トン減)や、翌年産米の“先食い”による在庫不足がありましたが、2025年に入っても価格は高止まりのままです。
政府は「備蓄米21万トンを市場に放出する」と発表しましたが、消費者の手元に届いたのはごく一部。なぜか?「流通の目詰まり」や「消えたコメ」など、農水省やJAからさまざまな説明が飛び交いましたが、後の調査で「コメはある」と判明し、説明の信ぴょう性が問われる事態となりました。
癒着の構造:農水省・JA・自民党農林族議員の“農政トライアングル”
コメ価格が下がらない最大の理由は、農水省・JA・自民党農林族議員による“農政トライアングル”の癒着です。
- 農水省とJAの天下り
2009年以降、農水省からJA関連団体への天下りは28人に上ります。JAは農水省官僚の“受け皿”となり、逆に農水省はJAの要望(減反政策の継続など)を受け入れてきました。 - JAによる流通支配
JA全農はコメの流通をほぼ独占。政府備蓄米の9割以上を落札し、市場への供給量を調整することで価格を維持しています。備蓄米放出後も、小売店に届いたのはごく一部で、JAと取引のある大手卸業者にしか流れませんでした。 - 自民党農林族議員の票田維持
農水省やJAは、兼業農家など多数の農家を維持することで、選挙での組織票を確保。コメ価格が下がれば農家の反発を招き、票田を失うリスクがあるため、価格維持にこだわります。
この三者が互いの利益を守るために協力しあう構図が、消費者不在のまま長年続いてきたのです。
なぜ政府の備蓄米放出でも価格が下がらないのか?
2025年2月、政府は21万トンの備蓄米を市場に放出しました。しかし、その9割以上をJA全農が落札。JAは卸売業者への販売を意図的に遅らせ、市場への供給量を絞ることで価格下落を防いだとの疑惑が浮上しています。
農水省は「流通が目詰まりしている」と説明しますが、実際には「精米に時間がかかる」「トラックが足りない」といった言い訳で、消費者への供給を遅らせてきました。これは、農家の利益(=高いコメ価格)を守るための“詭弁”に過ぎません。
農家は本当に儲かっているのか?
「コメ価格が高い=農家が儲かっている」と思いがちですが、実はそう単純ではありません。農家はJAにコメを出荷すると、まず“仮渡金”を受け取ります。その後、実際に卸売業者に販売された価格が上昇すれば追加払いを受けますが、JAが流通をコントロールしているため、農家の取り分が大幅に増えるわけではありません。
むしろ、JAや卸売業者のマージンの高さが問題視されており、農家も消費者も“中抜き”の被害者である側面もあります。
小泉進次郎農水相の登場と改革の可能性
2025年5月、失言で辞任した江藤拓農水相の後任に、小泉進次郎氏が就任しました。小泉氏は2016年に自民党農林部会長としてJA改革を主導し、JA全農の販売手数料や流通構造の見直しを求めてJA側と激しく対立した過去があります。
今回も「コメ価格の引き下げ」を最優先課題に掲げ、備蓄米の「5キロ2000円」販売を強調。流通の透明化やJAの独占体制の見直しに再びメスを入れる可能性が高まっています。
「毎日の生活の中で日々感じておられるコメの高騰に対して、スピード感をもって対応できるように全力を尽くしていきたい」(小泉進次郎農水相)
JA関係者には警戒感もありますが、小泉氏の発信力と改革志向に期待する声も少なくありません。
今後の展望と消費者への影響
小泉農水相が本気でJA改革・流通構造の見直しに取り組めば、コメ価格の適正化や消費者負担の軽減につながる可能性があります。ただし、“農政トライアングル”の抵抗は根強く、簡単には進まないでしょう。
消費者としては、コメの価格や流通の仕組みにもっと関心を持ち、声を上げることが大切です。主食のコメが“誰のために、どのように”流通しているのか、今こそ注目すべきタイミングです。
まとめ:癒着の構造を打ち破れるか?あっぱれ小泉進次郎!
コメ価格が下がらなかった理由は、農水省・JA・自民党農林族議員の癒着による“農政トライアングル”にありました。備蓄米の放出も、JAの流通支配によって消費者に届かず、価格高騰を招いています。
そんな中、小泉進次郎農水相の登場は、閉塞した農政に一石を投じる存在です。彼がどこまで本気で改革を断行できるのか、今後の動向に注目しましょう。消費者一人ひとりが関心を持つことが、変化の第一歩です。
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