「骨が腐る」なんて言葉、聞いたことがありますか？
少し不気味に聞こえるかもしれません。でも、現実にそんな病気があるのです。
その名は「大腿骨頭壊死（だいたいこっとうえし）」・・太ももの骨の先端、股関節の部分が壊死してしまう病気です。
そしてこの病気を、あの元TOKIOの山口達也さんが公表したのです。
ニュースを見た瞬間、驚いた方も多いでしょう。「そんな病気になるなんて…」とショックを受けたファンも、きっとたくさんいたはずです。
彼に何が起こったのか。
そして「大腿骨頭壊死」とは一体どんな病気なのか——。
この記事では、医療的な情報を交えながら、山口さんの人間的な強さをお伝えします。
「骨が腐る」…大腿骨頭壊死とはどんな病気？
医学的には「大腿骨頭壊死症（Ficat分類などで進行度を評価）」と呼ばれます。
簡単に言うと、太ももの骨（大腿骨）の先端にあたる「骨頭」部分へ十分な血液が届かなくなり、骨が酸素や栄養を受け取れずに壊死してしまう病気です。
この骨頭は股関節を形成し、体重を支える要の部分です。
だから、壊死が進むと歩行時に強い痛みが生じ、最悪の場合は人工関節置換手術が必要になることもあります。
発症の原因はさまざまですが、主に次のようなものが知られています。
- 長期のステロイド薬使用
- 大量のアルコール摂取
- 外傷や血流障害
- 特発性（原因不明のケース）
山口達也さんも、一時はアルコール依存に苦しんでいたことが知られています。
もちろん直接的な因果関係は本人にしかわかりませんが、「長年の生活習慣やストレス」が背景にあるのかもしれません。
山口達也さんが明かした「痛み」と「絶望」
彼の告白の中で、多くの人が胸を打たれました。
「まさか自分が骨の病気になるなんて思わなかった」と語る彼の言葉。
その裏には、芸能活動から離れ、社会的な再起を図る中で直面した“身体の限界”がありました。
痛みは、最初は軽い違和感から始まることが多いそうです。階段を上るとき、立ち上がるときにズキンとする。
しばらくすると歩けないほどの激痛になり、日常生活にも支障をきたすようになる。
「何が起こっているのか分からなかった」
「立っているのも辛かった」
そう語る山口さんに、同じ病気を経験した人たちから、数多くの応援メッセージが届きました。
「大腿骨頭壊死」は誰にでも起こりうる病気
実はこの病気、決して珍しいわけではありません。
日本国内では年間数千人以上が発症しているとされ、特に40〜60代の人に多い傾向があります。
この世代は、仕事・家庭・ストレスが重なり、体への負担が大きくなる時期。
だから、山口さんのように中年以降に発症するケースは少なくないのです。
初期の段階でMRI検査を受ければ早期発見が可能ですが、痛みを我慢して放置してしまう人も多い。
その結果、壊死が進行し、骨が潰れてしまってから診断されることも多いのです。
治療法——手術だけじゃないリハビリの重要性
大腿骨頭壊死の治療法は、進行度によって変わります。
初期なら「安静」「免荷（杖や松葉杖で体重を分散）」「薬物療法」で進行を遅らせることができます。
中期〜重症の場合は、次のような手術が検討されます。
- 骨移植術（血流改善を目的）
- 骨切り術（負担を軽減するための骨の角度調整）
- 人工股関節置換術（壊死した骨を人工骨で置き換える）
そして、最も重要なのが「リハビリ」です。
手術後は、筋力を回復させ、歩行を安定させるために数か月から1年以上のリハビリを行うこともあります。
山口達也さんが見せる「再起の道」
過去の過ち、社会との断絶、そしてこの難病。
彼の人生は、まるで試練の連続です。
それでも山口達也さんは、「もう一度、人のために生きたい」と発信を続けています。
YouTubeやSNSを通じて、同じように苦しむ人々へメッセージを送っています。
病気を公表することは、とても勇気がいることです。芸能人である彼ならなおさら。
それでも、自分の経験を通して「病気＝終わりじゃない」と伝える彼の姿勢に、多くの人が共感しています。
ファンや世間の反応——支える声が広がる
告白後、SNSでは次のような声が多く見られました。
- 「病気に負けず頑張ってほしい」
- 「今度こそ自分を大切にしてほしい」
- 「辛い経験を希望に変えてくれてありがとう」
人は、転んでも立ち上がることができます。
それを実際に見せてくれるのが、山口達也さんという存在なのです。
大腿骨頭壊死にならないために——日常でできる予防法
病気のリスクを下げるには、日々の生活習慣が鍵となります。
以下は、医師も推奨する予防のポイントです。
- アルコールの摂取量を控える
- ストレスを溜め込みすぎない
- 栄養バランスの良い食事を心がける
- 太りすぎず、下半身の筋肉を適度に保つ
- 股関節の違和感を感じたら早めに整形外科へ
特に、痛みのサインを「年のせい」と片付けないことが大切です。
早期に対応すれば、人工関節を避ける可能性も高まります。
「再び自分らしく生きる」——病気が教えてくれたこと
大腿骨頭壊死という病気は、身体だけでなく心も試される病気です。
歩けなくなる恐怖、痛みとの闘い、将来への不安——それらを一つずつ乗り越える中で、人は本当の意味で「生きる力」を取り戻します。
山口達也さんも、そのプロセスを通して「生かされていることの有難さ」を再確認したのではないでしょうか。
病気を通して、彼は「命の尊さ」や「人との絆」を再び掴み直そうとしているように見えます。
最後に——誰にでも訪れる「転機」をどう生きるか
人生には、思いもよらない転機があります。
それは事故だったり、病気だったり、失敗だったり。
でも、その瞬間にどう向き合うかで、その後の人生はまるで違ったものになるのです。
山口達也さんは、その答えを行動で示しています。
「今、目の前にあることを一歩ずつ」
その姿は、かつてファンが応援した“頼れる兄貴分”そのものです。
そして、同じように悩みや不安を抱える人たちにとって、山口さんの再起は希望の光になっています。
病気の克服も、人生の再生も、一夜には成りません。
けれど、一つだけ確かなのは、「立ち上がる勇気」は誰の中にもあるということ。
元TOKIO・山口達也さんの新たな歩みが、これからの人生に悩むすべての人に力を与えてくれるはずです。
コメント