
higejii(ひげ爺)
「パソコンの中のデータが突然開けなくなった」「画面に『復号するには金を払え』と警告が出た」。――これがまさにランサムウェア攻撃です。
ランサム(Ransom)は英語で「身代金」を意味します。つまりランサムウェアとは「データを人質に取り、金銭を要求するコンピュータウイルス」のことです。
感染するとPCやサーバーの中のファイルがすべて暗号化され、アクセスできなくなります。攻撃者は暗号を解く「鍵」を渡す代わりに、ビットコインなどの仮想通貨で身代金を要求します。
身近に迫るランサムウェアの脅威
テレビや新聞では企業が攻撃されたニュースを耳にしますが、実は個人のパソコンやスマホも狙われています。「自分には関係ない」と思って油断していませんか?
以下のような被害が実際に多発しています。
- 企業への被害
製造業や病院などが攻撃され、システムが停止。病院では診察ができなくなったり、企業では出荷が止まったりと社会的影響は甚大です。 - 個人への被害
家族の写真や大切な書類がすべて暗号化され、金銭を払わない限り取り戻せなくなったケースもあります。
感染経路はどこから?
ランサムウェアに感染するきっかけは意外なほど日常に紛れ込んでいます。
- 怪しいメールの添付ファイル
「請求書です」「配送のお知らせです」など巧妙な内容で送られてきて、開いた瞬間に感染。 - 不審なリンクをクリック
SNSやウェブ上にある偽の広告やダウンロードボタンから感染。 - セキュリティの甘いソフトやシステム
古いOSやアップデートを行っていないソフトは格好の標的になります。
「身代金を払えば解決する?」という大きな誤解
実際に身代金を支払ったとしても、データが必ず元に戻る保証はありません。攻撃者が「鍵」を渡さないことも多く、さらに「支払う人」として再度狙われる可能性すらあります。
警察庁やセキュリティ専門家は一貫して「絶対に払わない」ことを推奨しています。
今日からできるランサムウェア対策
「怖いけれど、何をすればいいの?」と感じるかもしれません。安心してください。基本的な対策を習慣化するだけでもリスクは大幅に軽減できます。
- 定期的なバックアップ
外付けHDDやクラウドに保存しておけば、万が一暗号化されても復元が可能です。 - ソフトとOSを最新に保つ
WindowsやMac、スマホでもアップデートを怠らないことが重要。 - 怪しいリンクや添付を開かない
知らない相手や不自然な内容のメールは即削除。 - セキュリティソフトの導入
ウイルス検知や不正通信の防止に役立ちます。
まとめ:ランサムウェアは「他人事」ではない
ランサムウェアは今やすべての人にとって現実的な脅威です。しかし「正しい知識」と「日常的な対策」を行うことで、ほとんどのリスクを回避できます。
大切なのは「データを守る」という意識を持つこと。あなたの写真、仕事のデータ、企業の機密情報――どれも失ってからでは遅いのです。
この記事を読んだ今この瞬間から、バックアップやアップデートの習慣を見直してみませんか?
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