
はじめまして。尿路結石に不安を感じていませんか?
もしくは、最近背中や腰に強い痛みを感じて「もしかして結石かも…」と心配になってこの記事を開いている方もいるかもしれません。
この記事では、現役泌尿器科医の立場から、尿路結石についてわかりやすく解説していきます。
尿路結石とは?知っておきたい基礎知識
尿路結石とは、腎杯・腎盂・尿管・膀胱・尿道といった「尿の通り道」にできる石のこと。小さな石なら気づかないこともありますが、大きくなると痛みや血尿など症状が現れます。最近は10人に1人が患うともいわれており、30代~60代の男性に特に多い病気です。
「尿路結石になったらどうなるんだろう?」
そんな不安が和らぐように、以下で詳しく説明していきます。
主な症状:痛みから血尿、違和感まで
「もし尿路結石になったら、どんな症状が出るの?」
この問いにお答えします。
- 腰痛や背中の痛み
腎盂・腎杯に結石がある場合、鈍い痛みが続くこともあれば、尿管に移動すると「激痛」が走ります。 - 下腹部や側腹部にかけての激しい痛み
突然倒れ込むほどの痛みがある場合もあり、冷汗や顔面蒼白になることもあります。 - 血尿
目に見える赤い血尿から、肉眼ではわからない潜血まで症状はさまざま。 - 吐き気・嘔吐
強い痛みから吐き気が出ることもあります。 - 頻尿や尿意切迫
尿の通り道が塞がることで排尿障害が起こり、頻尿や強い尿意が現れることも多いです。
「これって結石?」と感じやすいサインを見逃さないでください。痛みは波のように強弱を繰り返し、20~60分でピークに達し和らいだりします。また、鼠径部(そけいぶ)、外陰部へ広がる痛みも特徴的です。
原因-なぜ結石はできるの?
「どうして尿路結石になるの?」
この質問にも正しく向き合いましょう。
- 水分不足
水分をあまり摂らないと、尿中の物質が濃くなり結晶化しやすくなります。 - 食生活(シュウ酸やカルシウムの過剰摂取)
ほうれん草やナッツ類に含まれるシュウ酸、乳製品に含まれるカルシウムの摂り過ぎがリスクを高めます。 - 尿路感染症
感染による尿の性質変化で結石ができやすくなります。 - 疾患・体質
高尿酸血症や副甲状腺機能亢進症などの持病も影響します。
遺伝や体質も関係するため「自分だけは大丈夫」と油断せず、生活習慣を見直すことが大切です。
尿路結石になりやすい人の特徴
次の項目が多いほど、尿路結石リスクが高いかもしれません。
- 30~60代の男性
- 水分摂取が少ない
- 野菜・ヨーグルト・ナッツなどを極端に多く摂る
- 既往歴がある(再発リスク大)
- 尿路感染症の既往がある
「過去に何度も結石になった」「家族に同じ症状の人がいる」など、心配がある方は早めに検査を受けましょう。
検査・診断はどうする?
尿路結石かどうかは、下記の方法で診断されます。
- 尿検査
肉眼では見えない結晶や血尿がわかります。 - レントゲン・超音波・CT検査
結石の場所や大きさを把握するために必要です。
「どんな検査があるんだろう?」と不安に思う方もいますが、最近は痛みも少なく短時間で済みます。
治療法:症状ごとに最適なアプローチ
尿路結石の治療法は下記のように状況によって異なります。
- 5mm以下の小さな結石
水分摂取や運動で自然排石を促します。尿管拡張薬の使用も一般的。 - 大きな結石・自然排石が困難な場合
体外衝撃波結石破砕術(ESWL)で超音波で結石を砕きます。さらに難しい場合はレーザー治療や摘出手術も選択肢です。 - 緊急時(尿が完全に出ない、腎障害併発)
カテーテルやチューブ留置で速やかに尿路の詰まりを解消します。
「痛みがひどすぎて不安…」という方には、まず痛み止め治療が行われ、状態が落ち着いてから詳細検査が進められます。
再発を防ぐ生活習慣
尿路結石は一度治療しても再発することが多い病気です。予防には、毎日の習慣がとても大切。
- 十分な水分補給
成人は最低でも1日2Lを意識しましょう。「コーヒーやジュース」ではなく、お水やお茶がおすすめです。 - バランスの良い食事
シュウ酸やカルシウムの過剰摂取を控えましょう。肉や野菜・乳製品も偏りすぎず、あくまでバランスを。 - 運動習慣
定期的な運動で尿路の巡りを改善します。 - 感染症の予防・早期治療
膀胱炎や尿路感染症が疑われたらすぐ病院へ。
こんな時はすぐ病院へ
次の場合は、迷わず医療機関を受診してください。
- 強い腰痛・背中の痛みで動けない
- 赤い血尿や異常な尿の色が出る
- 吐き気・嘔吐がひどい
- 排尿がほとんどできない
- 発熱や悪寒がある
早めの受診で重症化を防ぎ、短期間で回復することも多いです。
よくある疑問Q&A
Q:自然に治りますか?
A:小さな結石は自然排石できることもありますが、無理せず医師と相談しましょう。
Q:再発を防ぐには?
A:食生活改善・水分補給・運動習慣が重要です。
Q:放置したらどうなりますか?
A:腎臓の障害や感染症の併発で重症化リスクが高まります。
まとめ:不安を解消し、自分の身体を守ろう
ここまで読んでくださったあなたは、尿路結石に関する重要な知識をしっかり身に付けていますね。痛み・血尿など症状が出て不安になったら、怖がらず専門医へ相談してください。
尿路結石は早めの対応と予防で「怖くない病気」にできます。家族や友人と情報を共有して、健康な生活を守りましょう。
何か少しでも違和感があれば、この記事を思い出して、納得できるまで医療従事者にご相談ください。あなた自身が安心して暮らせる毎日を、一緒に作っていきましょう!
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