
こんにちは。今日は「ブライダル産業破綻!」という、少しショッキングなタイトルでお話しします。もしあなたが結婚を控えていたり、家族や友人の結婚式を楽しみにしていたり、あるいはブライダル業界に関心があるなら、ぜひ最後までお読みください。今、日本のブライダル業界はかつてない危機に直面しているのです。
ブライダル業界に何が起きているのか?
まず、現場で何が起きているのか、事実をお伝えしましょう。
- 2025年、全国で結婚式場の倒産や閉鎖が急増しています。東京や九州だけでなく、地方都市でも同様の動きが広がり、倒産や事業撤退が相次いでいます。
- 2023年のブライダル関連企業の倒産件数は前年比30%増の85件。2024年も第一四半期だけで32件の倒産が確認されています。
- 2025年には、結婚式場の2~3割が倒産、あるいは事業撤退するのではと予測する声もあります。
なぜ、これほどまでに急激な「破綻ラッシュ」が起きているのでしょうか?
破綻の主な理由は?
社会・経済の変化と長期的な低成長
日本は「失われた30年」と言われる長期的な低成長時代に突入しています。実質賃金の伸び悩み、消費税増税、可処分所得の減少などが、結婚式にかけるお金を絞らせています。
少子化と婚姻件数の減少
1970年には約100万組だった婚姻件数が、2020年には約53万組と半減。そもそも「結婚する人」が大幅に減っているのです。
コロナ禍の打撃
2020年以降の新型コロナウイルス感染拡大で、多くの結婚式が延期・中止に。業界全体が深刻なダメージを受け、コロナ融資の返済も経営を圧迫しています。
若者の価値観の変化
「結婚式は盛大にやるもの」という価値観が崩れ、合理性や透明性を重視するカップルが増えています。自分たちらしい小規模な式やフォトウェディング、そもそも結婚式を挙げない選択も増加。
業界の旧態依然としたビジネスモデル
- 最初の見積もりは安く見せて、後から金額を上げる不透明な手法。
- 自社施設で完結するフルパッケージ型のサービス。
- 固定費が高く、集客が低迷すると一気に経営が悪化。
これらが、現代の消費者ニーズと大きくズレてしまっています。
現場で起きているリアルな変化
- スタッフの解雇や給料未払い、業者への支払い遅延、食材仕入れのストップなど、現場は混乱しています。
- チャペルを客室にしたり、披露宴会場をレストランに改装したり、ホテル本体は残して結婚式事業だけ撤退するケースも増加。
- 契約済みの新郎新婦が、急遽式場を変更させられるトラブルも発生。
数字で見るブライダル業界の衰退
年度 | 市場規模(兆円) | 婚姻件数(万組) | 倒産件数(件) |
---|---|---|---|
2010年代前半 | 約2.5 | 約70~80 | – |
2020年 | 約2.0 | 約53 | – |
2023年 | 約2.0 | – | 85 |
2025年 | 約1.8 | – | 増加傾向 |
(出典:矢野経済研究所、厚生労働省、東京商工リサーチ等)
なぜ「ビジネスモデル」自体が崩壊したのか?
かつては「結婚式=人生最大のイベント」であり、「みんながやるから自分たちもやる」という同調圧力が強く働いていました。しかし、今や「自分たちらしさ」や「合理性」を重視する時代。高額なパッケージや不透明な追加料金、画一的なサービスでは、現代のカップルの心をつかめません。
また、オンラインでの情報収集が当たり前になり、式場の比較も簡単にできるようになりました。SNSで「節約婚」「フォト婚」「家族婚」などの情報が拡散し、「豪華な式を挙げるのが当たり前」という常識が崩れたのです。
今後のブライダル業界はどうなる?
M&Aや業態転換が加速
- 業績悪化の企業は、他社との合併や事業売却(M&A)を進めています。
- ホテルやレストラン業に特化し、結婚式事業から撤退する動きも顕著。
新しい価値観に対応したサービスが台頭
- 少人数制、家族婚、フォトウェディング、オンライン結婚式など、個性を重視したサービスが拡大。
- ブライダルドレス市場は、カスタマイズやエコ素材、オンライン販売などで成長を続けています。
「結婚式=特別な日」は変わらない?
「結婚式を挙げたい」というニーズ自体はゼロにはなりません。むしろ、「本当に大切な人だけで」「自分たちらしい形で」という新しいスタイルが定着しつつあります。これに柔軟に対応できる企業だけが生き残るでしょう。
あなたが今できることは?
- 結婚式を検討しているなら、式場の経営状況や契約内容をしっかり確認しましょう。
- 柔軟なプランや透明性の高いサービスを選ぶのが安心です。
- 業界関係者の方は、従来のやり方に固執せず、時代の変化に合わせたサービス開発が生き残りのカギとなります。
まとめ:ブライダル産業は「破綻」ではなく「進化」の時代へ
確かに、従来型のブライダル産業は破綻しつつあります。しかし、それは「終わり」ではなく、「新しい価値観への進化」の始まりです。今後は、より多様で個性的な結婚式が主流となり、「自分たちらしい人生の節目」を祝う新しい文化が根付いていくでしょう。
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