あなたも気になる「出走馬はいつ決まるの?」

「今年の有馬記念、どの馬が出てくるんだろう?」
競馬ファンなら、年末が近づくたびにワクワクして、ついネットで最新情報を追いかけてしまうのではないでしょうか。
とくに2025年は3歳勢と古馬の実績馬がぶつかるといわれ、どの馬が有馬記念に駒を進めるのか、例年以上に注目が集まっています。
ところが、出走馬のニュースを見ても「ファン投票○位」「賞金順○番目で出走可能」といった専門用語が並んでいて、「結局いつ決まるの?どうやって決めてるの?」とモヤモヤしてしまう人も多いはずです。
この記事では、そんな疑問をスッキリ解消するために、2025年有馬記念を例にしながら
- 出走馬が「いつ」決まるのか
- 出走馬が「どうやって」決まるのか
- ファン投票や賞金順が、実際にどう影響するのか
を、わかりやすく、でも実務的な視点も交えつつ解説していきます。
有馬記念というレースの特徴
まずは、有馬記念そのものの位置づけを軽く押さえておきましょう。
有馬記念は、日本中央競馬会(JRA)が年末に中山競馬場で行う芝2500mのG1レースで、3歳以上の中長距離馬が集結する「ドリームレース」と呼ばれる一戦です。
特徴的なのは次の点です。
- 開催時期:12月の最終週の日曜日前後(2025年は12月28日予定)
- 距離・コース:中山芝2500m・内回りでコーナーを4回回るタフなコース
- 出走条件:3歳以上のJRA所属馬を中心とし、原則フルゲート16頭
とくに「グランプリ」と呼ばれる理由は、“ファン投票で出走馬が決まるレース”という特別な仕組みにあります。
一般的なG1は賞金やトライアルレースの結果で淡々と出走馬が決まりますが、有馬記念だけはファンの声が編成に強く反映されるのが最大の特徴です。
出走馬はいつ決まるのか:全体の流れ
「いつ決まるのか?」を正確に理解するには、決定が一気に行われるのではなく、段階的に進むことを意識するのがポイントです。
2025年有馬記念のスケジュール例をベースに、タイミングを整理してみましょう。
- ① ファン投票期間:11月下旬~12月上旬(例:11月20日〜12月7日前後)
- ② ファン投票最終結果発表:12月上旬〜中旬
- ③ 特別登録(出走意思のある馬の登録):レース約1週間前
- ④ 出走馬「予定」リストがほぼ見えてくる時期:登録後~出走馬決定
- ⑤ 出走馬&枠順確定:レース週の木曜日(2025年なら12月25日頃)
この⑤のタイミングこそが、「出走馬が正式に決まった」と言える瞬間です。
つまり、ファン投票の結果が出た段階は、あくまで「優先出走できる権利を持つ馬」が分かった状態にすぎず、実際の出走馬が確定するのは、特別登録と賞金順などを踏まえ、枠順抽選が行われるレース週の木曜日というわけです。
ステップ1:ファン投票で「優先出走馬」が決まる
それでは、出走馬決定の各ステップを、少し丁寧に見ていきましょう。
最初の入り口は、毎年恒例の「ファン投票」です。
ファン投票の実施期間と方法
2025年のスケジュール例では、ファン投票は11月下旬から12月上旬にかけて行われます。
近年は主にインターネットからの投票が主流で、JRAの専用ページなどから好きな馬に投票できます。
このファン投票は、有馬記念に出てほしい“夢のメンバー”をファンが直接選ぶ場であり、人気と話題性を大きく左右します。
ファン投票で何が決まるのか
ここがポイントですが、ファン投票で「出走馬そのもの」が決まるわけではありません。
決まるのは「優先出走権」です。
- ファン投票上位10頭には「優先出走権」が与えられる
- ただし、実際に出走するかどうかは、陣営が有馬記念を使うか回避するかの判断による
- ファン投票上位でも、ケガや疲労、ローテーションなどの理由で回避する馬も少なくない
たとえば2025年の有馬記念では、フルゲート16頭に対し22頭が登録し、そのうちファン投票上位10頭が優先出走の対象となる、という形が想定されています。
そこから、回避馬や登録状況を踏まえて、残りの枠を「賞金順」で埋めていく流れになります。
ステップ2:特別登録と「出走意思」の表明
ファン投票が終わったあと、いよいよ陣営が「出走するかどうか」を公式に示すタイミングがやってきます。
それが「特別登録」です。特別登録とは何か
特別登録とは、「このレースに出走させる意思があります」と陣営がJRAに対して行う登録手続きです。
- 実施時期:レースの約1週間前(月曜)に特別登録が締め切られることが多い
- 登録頭数:フルゲート16頭に対して20頭以上登録されることが珍しくない
- ここで初めて、「有馬記念に名乗りを上げた馬のリスト」がはっきり見える
この段階で、ファン投票上位なのに登録していない馬=有馬記念を回避した馬が明確になります。
逆に、ファン投票では圏外でも、賞金をしっかり稼いでいて登録してきた馬は、「賞金順」で出走を狙える立場になります。
ファン投票上位馬はここでも有利
特別登録の時点で、ファン投票上位10頭のうち登録してきた馬には「優先出走権」があります。
そのため、フルゲート16頭のうち、まずこの優先出走馬から枠が埋められていきます。
- ファン投票上位10頭のうち、登録してきた馬が優先的に16頭枠に入る
- 優先出走権持ちが10頭すべて登録してきた場合、残り6枠を賞金順で選出
- 優先出走権持ちが7頭だけ登録なら、残り9枠を賞金順で選出
こうして、「優先出走」と「賞金順」という2つの軸を組み合わせながら、最終的な顔ぶれが形作られていきます。
ステップ3:賞金順による出走馬の選出
有馬記念は人気レースだけに、特別登録でフルゲートを超える頭数が集まるのが普通です。
では、ファン投票の優先出走馬以外は、どのように選ばれていくのでしょうか。
「出走馬決定賞金」とは
JRAのG1レースでは「出走馬決定賞金」という考え方を使い、賞金の多い馬から優先的に出走させていきます。
さらに重要なのは、「クラス(条件)」が上の馬が優先されるというルールです。
JRAの資料では、たとえば3勝クラスの馬とオープン馬が同じレースに登録した場合、たとえ3勝クラスの馬の出走馬決定賞金が高くても、オープン馬が優先されるという例が挙げられています。
有馬記念の場合の具体的な選出イメージ
2025年有馬記念の登録状況の例では、フルゲート16頭に対し22頭が登録し、その中でファン投票上位10頭が優先出走の対象となります。
そこから、残る枠を「出走馬決定賞金の上位順」で埋めていく形です。
この「除外対象馬」は、ファンからすると気になる存在で、「出てきてほしかったのに賞金が足りずに出られなかった」というケースも少なくありません。
それだけに、秋のG1戦線でどれだけ賞金を積めるかが、有馬記念の出走可否に直結してくるとも言えます。
ステップ4:出馬表と枠順抽選で「正式決定」
ファン投票、特別登録、賞金順のふるいを通っても、まだ「完全に確定」とは言えません。
最後の仕上げが、「出馬表の発表」と「枠順公開抽選会」です。
出馬表はいつ出る?
JRAでは、通常レースの出馬表は2段階に分けて発表されます。
有馬記念でも同様で、レース週の木曜日が「正式に出走馬が固まる日」となります。
2025年であれば、レースが12月28日(日)なので、その前の木曜日、12月25日頃が出走馬確定日というイメージです。
枠順公開抽選会という“イベント”
有馬記念では、枠順決定そのものが大きなイベントとして扱われます。
レース週の木曜夕方に「枠順公開抽選会」が行われ、テレビやインターネットでも生中継されるのが恒例です。
この瞬間こそが、「2025年有馬記念の出走馬と枠順がすべて決定した」と言えるタイミングであり、予想家にとってもファンにとっても、最終チェックのスタートラインになります。
ファン投票と出走条件の仕組み
ここまでで大まかな流れはつかめてきたと思いますが、「そもそもどんな馬でもファン投票で選ばれれば出走できるの?」という疑問も浮かぶかもしれません。
そこで、有馬記念の出走条件と、ファン投票の関係を少し整理しておきます。
出走できる馬の基本条件
有馬記念は3歳以上の競走馬を対象としたG1レースですが、出走できるのは原則としてJRA所属の一定条件を満たす馬です。
このうえで、ファン投票上位かつ特別登録を行い、賞金順などの条件をクリアした馬が、有馬記念のゲートに立つ権利を得ます。
「人気だけ」では走れない理由
もし仮に、条件を満たしていない馬がファン投票で上位になっても、その馬が自動的に有馬記念に出走できるわけではありません。
競走馬としてのクラスや賞金、体調など、さまざまな条件が噛み合って初めて出走が実現します。
その意味では、ファン投票は「出走馬を決める唯一の基準」ではなく、「人気と話題性を反映させるための特別な優先枠」と考えると分かりやすいでしょう。
2025年有馬記念:出走メンバー決定のリアルな動き方
ここからは、2025年有馬記念という具体的な年をイメージしながら、「いつ頃から、どれくらい出走馬の顔ぶれが見えてくるのか」を、ファン目線で追ってみます。
11月:ファン投票スタートで「夢の構想」が見え始める
11月下旬にファン投票が始まると、「今年の主役になる馬たち」がリストとして浮かび上がってきます。
中間発表では、春・秋のG1で活躍した馬や、三冠戦線で話題になった3歳馬などが上位に名を連ね、SNSでも「この馬には絶対出てほしい」といった声が飛び交います。
この時期はまだ「誰が本当に出るか」は分かりませんが、大枠の人気馬候補を頭に入れつつ、「もしこの馬とこの馬が激突したら…」と想像を膨らませるタイミングです。
12月上旬~中旬:ファン投票確定で優先出走馬が見えてくる
ファン投票が締め切られ、最終結果が発表されると、優先出走権を手にした上位馬が確定します。
例えば、2025年のファン投票では前年の有馬記念勝ち馬や、天皇賞(秋)やジャパンCの好走馬が上位に名を連ねているといった形になるでしょう。
この段階で、「有馬記念に出る可能性が高い人気馬候補」がかなり絞り込まれますが、同時に、ジャパンCや香港遠征など、他レースとの兼ね合いで回避する馬も出てきます。
ニュースサイトでは「○○陣営、有馬記念は回避して来年の海外遠征へ」といった情報が流れ、ファンは「じゃあ代わりにどの馬が出てくる?」と次の展開に注目することになります。
レース週:特別登録~枠順決定で「出走馬が確定」
レースの約1週間前に特別登録が締め切られると、有馬記念に名乗りを上げた馬の一覧が公開されます。
ここでようやく、「現実的に出走しうる馬のリスト」が確定し、その中から優先出走馬と賞金順の馬を合わせてフルゲート16頭が選ばれます。
そしてレース週の木曜日、出走馬と枠順が正式に確定し、ファンの長い“待ち時間”は終わりを迎えます。
ネットニュースや公式サイトには、出走馬16頭の一覧と枠順、騎手名が並び、予想・検討の最終段階へと突入していくわけです。
出走馬の決め方を一気に整理
ここまでを一度、シンプルにまとめ直しておきます。
- 出走馬の“たたき台”を作るのがファン投票
- 実際に走る意思を示すのが特別登録
- 優先出走+出走馬決定賞金の順で16頭を選ぶ
- レース週木曜の出馬表&枠順発表で最終確定
この流れを知っておくと、「あ、まだファン投票の段階だから、本当の出走馬は先」「今日のニュースは特別登録の話だから、そろそろメンバー固まるな」といった感じで、情報の見え方がガラッと変わってきます。
あなたが出走馬決定を楽しみ尽くすために
最後に、この記事をここまで読んでくれたあなたが、2025年有馬記念をもっと楽しむための“実践的な見方”を、少しだけ提案させてください。
- ファン投票期間中は「夢のメンバー表づくり」を楽しむ
- 特別登録のニュースが出たら「現実のメンバー候補」を確認
- 出馬表&枠順発表の日は「有馬記念モード」に本格突入
有馬記念は、当日の2分半だけを楽しむレースではなく、1か月以上前から「誰が出る?出ない?」とワクワクし続けられる“物語型”のイベントです。
出走馬がいつ・どうやって決まるのか、そのプロセスを知っておくことは、その物語を最初から最後まで味わい尽くすための、ちょっとした“裏ワザ”と言えるかもしれません。
2025年の有馬記念も、きっとまた、忘れられないドラマが待っているはずです。
あなたは、どのタイミングから、そのドラマに参加してみますか。

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