理学療法士の仕事は、ケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力（座る、立つ、歩くなど）の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法（温熱、電気等の物理的手段を治療目的に利用するもの）などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援する医学的リハビリテーションの専門職です。
理学療法士の資格を取得するためには、まず、理学療法士の養成校（4年制大学、短期大学（3年制）、専門学校（3年制、4年制））で3年以上学び、必要な知識と技術を身につけることが必要です。その後、厚生労働省が主管する国家試験を受け、合格すれば理学療法士の国家資格が得られます。
したがって、最短で理学療法士になるためには、養成校での学習期間（3年以上）と国家試験の合格が必要となります。具体的な年数は、選んだ養成校のカリキュラムや個々の学習進度によります。
また、すでに作業療法士の資格を持っている人は、養成校で2年以上学べば受験資格が得られます。さらに、外国の養成校を卒業した方や外国で理学療法士の免許を取得した人は、所定の手続きをして厚生労働大臣の認定を受ければ、新たに養成校に入る必要がない場合や不足した単位のみ取得すればいい場合もあります。
理学療法士の養成校では、一般教養科目、専門基礎科目、専門科目、臨床実習の4種類があります。また、養成校それぞれにも特色がありますので、自分が将来どんな職場で働きたいかを考え、それに合うカリキュラムや実習先を用意しているところを選ぶと良いでしょう。また、学費については、公立の場合4年間総額で250万円～300万円前後、私立の場合は550万円～800万円前後が相場となっています。
理学療法士の仕事は、医療現場だけではなく、高齢者の介護予防、フレイル予防、健康増進、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病に対する指導、スポーツ現場、産業分野など活躍の場が広がっています。これらの情報を参考に、理学療法士という職業を選ぶことがあなたのキャリアゴールに合っているかどうかを考えてみてください。
理学療法士の給料は、勤務先や地域、経験年数などにより異なりますが、以下に一般的な給与の傾向を示します。
平均年収
約431万円。ただし、他の医療・介護関連職と比べて、多いのか少ないのか気になるところです。
初任給
約24万円。これは厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」の経験0年の理学療法士の給与を参考にしたものです。
平均月収
約30万円。
ボーナス
約70万円。
また、年代別に見ると、給与は徐々に上昇していく年功序列型の傾向にあることがわかります。具体的には、20～24歳の平均年収は336万円、25～29歳の平均年収は392万円となっています。
これらの数値はあくまで一般的な傾向を示すものであり、具体的な給与額は勤務先の規模や地域、経験年数などにより異なることをご理解ください。また、福利厚生制度も給与と同様に重要な要素であり、具体的な待遇を確認する際には、これらの要素も考慮に入れることをお勧めします。
コメント