
この記事では、「スターリンクってなに?」という小学生にもわかるように、むずかしい言葉をできるだけ使わずに説明します。
「宇宙のインターネットって本当に使えるの?」「日本でも使えるの?」「ゲームや動画は速いの?」といったギモンにも、ひとつずつ答えていきます。
スターリンクってそもそもなに?
まずは、スターリンクを一言でいうと「宇宙からとどくインターネットサービス」です。
スマホやタブレットでYouTubeを見たり、オンラインゲームをしたりするときに使っている「インターネット」を、宇宙にあるたくさんの人工衛星からとどけてくれるしくみです。
ポイントを3つにまとめると、こんな感じです。
- スペースXというアメリカの会社がやっているサービス
- 地球のまわりを飛ぶ小さな人工衛星を何千機もならべている
- その衛星から、家に置いたアンテナにインターネットの電波がとんでくる
ふつうのインターネットは、地面の下をとおる光ファイバーケーブルや、町に立っている基地局(アンテナ)を使っています。
でもスターリンクは、地面ではなく「宇宙」を通っているところが、大きなちがいです。
どうして宇宙からインターネットをとどけるの?
「そんなに大変そうなのに、どうしてわざわざ宇宙からインターネットをとどけるの?」と思いますよね。
それには、ちゃんとした理由があります。
山や島でもインターネットがほしいから
山の中の村や、人口が少ない島、砂漠やジャングルのような場所には、光ファイバーのケーブルを引くのがとてもむずかしくて、お金もたくさんかかります。
そのため、「インターネットがほとんど使えない」「すごく遅い」という地域が世界にはたくさんあります。
スターリンクなら、空がひらけていれば、そこにアンテナを置くだけで、宇宙の衛星からインターネットを受けとれます。
山の上でも、島でも、海の上の船でも、電波が届きにくい場所でも使えるようになるのです。
災害のときに役に立つから
地震や台風、大雨の災害が起きると、電柱がたおれたり、地面の下のケーブルがきれたりして、ふつうのインターネットが使えなくなることがあります。
ニュースでも、避難所で「ネットがつながらない」という話を聞いたことがあるかもしれません。
そんなとき、スターリンクのアンテナと電源さえあれば、宇宙からインターネットを受けとることができます。
地上のケーブルや基地局にたよらないので、「災害に強いインターネット」として、世界中で注目されています。
スターリンクの「衛星」はどんなふうに飛んでいるの?
スターリンクのいちばんのポイントは、「地球のまわりを飛んでいるたくさんの人工衛星」です。
ここをイメージできると、スターリンクのことがぐっとわかりやすくなります。
星座みたいに並んだ小さい衛星
スターリンクの人工衛星は、ひとつひとつが大きなバスくらいある「古いタイプの衛星」とちがって、わりと小さくて軽い作りです。
それを、何千機という数で、地球のまわりの「低い場所」に並べて飛ばしています。
- 高さはだいたい数百キロメートルくらい
- 地球のまわりをぐるぐる回っている
- たくさんの衛星が、まるで星座(コンステレーション)のように並んでいる
空が暗いところで、たまたまうまく条件があうと、「スターリンクの衛星が数珠つなぎに流れていくようす」が見えることもあります。
「光る列車のようだ」と表現されることもあります。
どうやってインターネットを飛ばしているの?
ざっくりいうと、通信の流れは次のようになっています。
- あなたの家のWi-Fiルーターにつながったスマホやパソコンから、データがアンテナに送られる
- アンテナから空に向かって電波を発射する
- 上空を通りかかったスターリンク衛星がその電波をキャッチする
- 衛星同士や、地上の基地局と通信して、インターネットの世界につなげる
- 返ってきたデータを、衛星→アンテナ→Wi-Fiルーター→スマホやパソコン、という順番でもどしてくる
これを、とても短い時間で行うので、動画視聴やオンラインゲームもできるくらいの速さになります。
「宇宙を通るから遅そう」と思うかもしれませんが、じつはけっこう速いのがポイントです。
スターリンクを使うと、どのくらい速いの?
スピードは、地域や天気、時間帯などによって変わりますが、目安としては「動画やオンライン授業がストレスなくできるくらい」と考えてOKです。
ふつうの光回線とくらべると、条件がよければかなり近いレベルまで出ることもあります。
イメージしやすいように、ざっくりとした感覚を書いてみます。
- YouTubeやNetflixで動画をHD画質で見る:問題なく再生できるレベル
- オンラインゲーム:本格的な対戦ゲームも人によっては遊べるレベル
- オンライン授業やビデオ通話:会話が遅れにくく、使いやすい
もちろん、プロゲーマーが大会で使うような「超低遅延」が求められる場面では、まだ光回線のほうが有利なこともあります。
それでも、「山の中なのにここまで速いの?」と驚かれることが多いのがスターリンクです。
スターリンクを使うには何が必要?
スターリンクを使うには、「スターリンクキット」と呼ばれるセットを申しこむ必要があります。
このキットには、つぎのようなものがふくまれています。
- お皿のような形をしたアンテナ(ディッシュ)
- アンテナを立てるための台
- 電源ケーブルや配線
- 専用のルーター(Wi-Fiを飛ばす機械)
使い方の流れは、かなりシンプルです。
- アンテナを、空がよく見える場所(屋根の上や庭など)に設置する
- ケーブルを家の中に引きこんで、ルーターにつなぐ
- スマホのアプリで初期設定をする
- ふつうのWi-Fiと同じように、スマホやパソコンをつなぐ
アンテナは、空にいる衛星をじぶんで見つけて向きを調整してくれるタイプもあり、むずかしい角度合わせをしなくても使えるように工夫されています。
「宇宙のインターネット」と聞くと難しそうですが、実際の作業は家庭用Wi-Fiとあまり変わらないイメージです。
日本でもスターリンクは使えるの?
スターリンクは、すでに日本でもサービスが展開されている地域があります。
とくに、山間部や離島など、これまでインターネットを引きにくかった場所での導入が進んでいます。
日本での使われ方の例としては、こんなものがあります。
- 山の中の学校や、離島の学校でオンライン授業に利用
- アウトドアイベントや教育イベントで、会場のネット回線として利用
- 漁船や作業船で、海上のインターネットとして利用
- 災害時に、避難所や現場での臨時のネット回線として利用
つまり、「街中で光回線が使える人」よりも、「これまでネットが遅かった・つながらなかった人」に、とくにメリットが大きいサービスになっています。
どんなときにスターリンクが役に立つの?
スターリンクがとくに力を発揮する場面を、もう少しくわしく見てみましょう。
学校の勉強で活躍
山の中や離島にある学校では、「教科書だけでは足りない動画教材」や「オンライン英会話」などを使うのがむずかしいことがありました。
スターリンクを入れることで、先生や子どもたちがオンライン教材にアクセスしやすくなり、都会の学校と近いレベルの学習環境に近づくことができます。
たとえば、
- 世界中の先生とビデオ通話で授業
- プログラミングや3Dデザインなど、重いデータを使う教材
- 実験のライブ配信や、遠くの施設のオンライン見学
こういった「ネットが速くないとつらい学び方」が、地方の小さな学校でもできるようになります。
お仕事・ビジネスで活躍
農業、林業、漁業、工事現場など、街から離れた場所での仕事では、「現場でインターネットが使えない」という悩みがよくあります。
スターリンクを使えば、その場でデータを送ったり、オンライン会議をしたりできるようになるので、仕事のやり方が大きく変わる可能性があります。
具体的には、
- ドローンで取った写真や動画を、その場からクラウドにアップロード
- 遠くの専門家とビデオ通話しながら、現場の状況を相談
- 山奥の監視カメラやセンサーを、インターネット経由でチェック
など、今までは「ネットがないからあきらめていたこと」が、できるようになっていきます。
スターリンクのメリット(いいところ)
小学生にもわかりやすいように、スターリンクのいいところをシンプルにまとめます。
- インターネットがつながりにくい場所でも使える
- 工事で道路をほったり、ケーブルを張りめぐらせたりしなくていい
- 条件がよければ、かなり速いインターネットが使える
- 災害時にも、復旧が早くできる可能性がある
- ひとつのアンテナで、家族みんなのスマホ・タブレット・パソコンをつなげる
「光回線が引けないから、しかたなく遅い回線を使っている」という人たちにとっては、大きな希望になるサービスです。
スターリンクのデメリット(注意したいところ)
もちろん、スターリンクにも弱点や注意点があります。
ここもちゃんと理解しておくと、「なんでもかんでも宇宙から!」という勘違いをせずにすみます。
- 天気や周りの環境の影響を受けることがある(大雨・大雪・木や建物にさえぎられるなど)
- 地域やプランによっては、料金が高く感じられることがある
- アンテナの設置場所を工夫しないと、電波が安定しないことがある
- たくさんの衛星が飛ぶことで、「宇宙のゴミ(スペースデブリ)」や「星空観察への影響」を心配する声もある
つまり、「スターリンクがあればすべて解決!」というわけではなく、「向いている場所」と「向いていない場所」があるということです。
都会のマンションで光回線が安くて速く使える人にとっては、スターリンクは「必ずしも必要ではない」場合もあります。
地球の環境や宇宙への影響は大丈夫?
スターリンクのように、たくさんの衛星を宇宙に打ち上げる計画は、世界中の科学者たちからも注目されています。
よい面だけでなく、「宇宙の環境」や「星空への影響」についても、まじめに考えなければいけないからです。
宇宙ゴミ(スペースデブリ)の問題
役目をおえた衛星や、ロケットの破片などが、地球のまわりを高速で飛び続けることを「スペースデブリ」と呼びます。
これが増えすぎると、ほかの衛星や宇宙ステーションにぶつかる危険が高まってしまいます。
スターリンクの衛星は、寿命を迎えたら大気圏に再突入して燃えつきるように設計されているなど、デブリを減らす工夫がされています。
それでも、「今後もっと衛星が増えたときに本当に大丈夫か?」という議論は、今もつづいています。
星が見えにくくなる問題
天文学者(天体を研究する人たち)の中には、「衛星が増えすぎると、星の観測にじゃまになる」と心配する人もいます。
長い時間をかけて撮る天体写真に、人工衛星の線がたくさん写ってしまうことがあるからです。
このため、衛星の表面を暗い色にするなど、「光の反射をおさえる工夫」も始まっています。
宇宙の利用と、星空の保護を、どうやって両立させるかが、これからの大きなテーマのひとつです。
小学生にもできる「スターリンクの学び方」
「話はなんとなくわかったけど、もっと知りたい!」と思った小学生のために、学び方のヒントも書いておきます。
- 学校や図書館で、「衛星通信」「宇宙インターネット」「スペースX」などの本を探して読む
- 家の人といっしょに、ニュースサイトでスターリンクの最新の記事をチェックする
- 夜、空を見上げて、「あの光の中にスターリンクの衛星もあるのかな?」と想像してみる
- 宇宙開発やインターネットの歴史を調べて、「昔から今までの変化」を自由研究にまとめてみる
もし将来、宇宙や通信の仕事をしたくなったら、
- 理科(とくに物理)
- 算数・数学
- プログラミング
- 英語
このあたりをがんばって勉強しておくと、とても役に立ちます。
まとめ:スターリンクは「宇宙とインターネットをつなぐ新しい道」
ここまでの内容を、小学生向けにもう一度シンプルに言いなおすと、スターリンクはこんなサービスです。
- 宇宙にあるたくさんの人工衛星から、とても広い地域にインターネットをとどけるしくみ
- 山や島、災害の現場など、「今までインターネットがむずかしかった場所」で大活躍する
- 速さもけっこう出るので、動画やオンライン授業にも使える
- その一方で、料金や天候、宇宙環境への影響など、考えるべき課題もある
「宇宙のインターネット」という言葉は、むずかしく聞こえるかもしれませんが、中身を分解してみると、
- 衛星
- アンテナ
- インターネット
という、知っている言葉の組み合わせです。
これから先、スターリンクのような仕組みは、もっと進化して、世界中のくらしや勉強のしかたを変えていくかもしれません。
あなたが大人になるころ、「家のネット回線は宇宙経由があたりまえ」という時代になっている可能性もあります。
そんな未来を想像しながら、「インターネットってどうやって届いているんだろう?」と考えてみると、勉強も少しおもしろく感じられるはずです。

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