登録販売者とは、ドラッグストアや薬局などで特定の医薬品(第2類および第3類の一般用医薬品)を販売するために必要とされる資格のことであり、またその資格を持っている人のことを指します。
登録販売者の主な仕事内容は以下の通りです。
一般用医薬品の販売
登録販売者は、一般用医薬品(第2類・第3類)を販売するために必要な資格です。
顧客対応
お客様の相談に乗ったり、医薬品の在庫管理・発注をしたりすることもあります。
登録販売者の就職先は、薬局やドラッグストアが中心でしたが、最近ではスーパーマーケット、コンビニエンスストア、家電量販店などでも一般用医薬品を取り扱うところが増え、登録販売者の活躍の場はますます広がりを見せています。
登録販売者になるためには、都道府県が行う「登録販売者試験」に合格し、都道府県知事の登録を受ける必要があります。試験そのものに年齢・学歴の制限はありません。登録販売者の需要は増え続けています。この職業でキャリアアップを目指すのであれば、一定期間以上の実務経験を積んで「店舗管理者」や「管理代行者」を目指していく必要があるでしょう。
以下は、登録販売者試験の難易度です。
合格率
登録販売者試験の合格率は全国平均で約40~50%前後です。ただし、都道府県によっては合格率に差があることも特徴的です。
合格基準
登録販売者試験の合格基準は「全体の7割以上の得点、且つ各試験項目ごとの出題数に対して3.5割以上(都道府県によっては4割以上)の正答」です。
偏差値
登録販売者試験の偏差値は45と判定されています。
これらの情報から、登録販売者試験は一般的には中程度の難易度と言えるでしょう。ただし、しっかりとした準備と理解が必要であり、特に「主な医薬品とその作用」の部分は多くの受験生が難しいと感じる部分です。また、各科目において一定の得点が必要となるため、全体的なバランスも重要となります。登録販売者試験の対策としては、計画的な学習と自己管理が大切とされています。具体的な勉強法や対策については、専門の教材や講座を利用することも一つの方法です。
登録販売者と薬剤師の違いは、主に以下の3つの点になります。
取り扱うことのできる医薬品の種類
登録販売者は一般用医薬品のうち第2類・第3類医薬品の販売が可能です。一方、薬剤師は医療用医薬品を含む全ての医薬品を取り扱うことができます。
調剤業務の有無
登録販売者は調剤業務を行うことができません。調剤とは、医師や歯科医師から発行された処方箋に基づいて医薬品を調製し、患者に提供する業務のことを指します。これに対して、薬剤師は調剤業務を行うことができます。
資格取得までの過程と難易度
登録販売者試験は誰でも受験でき、数ヶ月程度の学習で合格が目指せます。一方、薬剤師になるためには、大学の薬学部で6年間の学習と国家試験の合格が必要となります。
以上の違いから、登録販売者と薬剤師はそれぞれ異なる役割を果たします。登録販売者は一般用医薬品の販売と顧客対応に重点を置き、薬剤師は調剤業務と全ての医薬品の取り扱いに重点を置きます。それぞれの資格が求められる場面や業務内容は異なりますので、自分の興味や目指すキャリアによって選択する資格が変わるかと思います。
一般用医薬品は、主に自己判断で使用することができる医薬品で、日本では第一類医薬品、第二類医薬品、指定第二類医薬品、第三類医薬品の4種類に分類されます。
以下に、一般用医薬品の主な種類とその有効成分をいくつか紹介します。
風邪薬
解熱鎮痛成分(アセトアミノフェン、イブプロフェンなど)、抗ヒスタミン成分(ジフェンヒドラミンなど)、気管支拡張成分(エフェドリンなど)、鎮咳成分(コデインなど)、去痰成分(アンブロキソールなど)などを含む。
救急絆創膏、傷薬(殺菌消毒薬)、消毒綿、手指・皮膚消毒剤
一般的な外傷や皮膚の消毒に使用されます。
かゆみ止め、虫さされ・かゆみ・あせもなどの鎮痒消炎薬
皮膚のかゆみや炎症を緩和するために使用されます。
水虫治療薬、魚の目治療薬
特定の皮膚疾患の治療に使用されます。
睡眠改善薬
ジフェンヒドラミンなどの成分が含まれ、睡眠を改善するために使用されます。
これらは一部の例であり、他にも多くの種類の一般用医薬品が存在します。それぞれの医薬品は、特定の症状や疾患を対象としており、用法や用量、副作用などを理解した上で適切に使用することが重要です。
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